50メートル先から巨大QRコードを読み取る：Daily Portal Z×ITmedia（2/3 ページ）

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平日の公園に広がる異様な光景

電車にもタクシーにも載らないので手で運ぶ

　ようやく完成したQRコードだが、タクシーに入らないと言われたので手持ちで代々木公園まで運ぶことになった。まさかこの筒の中に巨大なQRコードが入っているとは原宿のおしゃれな人々は誰も気づかないだろう。

　公園に到着し、大人9人がかりで組み立て作業にとりかかる。

出力した画像は全長約5メートル

これを半分に切ってつなぎあわせる

かぶってくる土や草、這いのぼってくるアリと戦いながら作業を進める

　作業すること約30分。ようやく巨大なQRコードが現れた。

　ポールにくくりつけて立ち上げると、大漁旗や登頂成功の旗のようでかっこいい。約50メートル離れたところからスマートフォンのQRコード読み取りアプリを起動する。もしかしてこれは楽勝なのでは？

かなり大きい

かなり遠い

　あれっ、読めない……？

「読めないですねー」「うん読めない」

　もう少し近付いても読めない。

雲行きが怪しくなってきた

　こんなに近付いても読めない。

　試行錯誤しているうちに風を受けてあおられるQRコード。「まるで大きい旗を振り続けているようだ」と、ポールを支えている2人が苦しそうな表情をしている。一度休憩して作戦会議に入ることに。

　パッと見たところ、特に悪いところはなさそうなのにいっこうに認識しない。iPhoneでもAndroidでもダメだ。スマホもタブレットもダメだ。

引っ張っても傾けてもダメ

　たるまないよう左右から引っ張ってみたり、人の目の高さからまっすぐ見えるよう前方にやや傾けたりしてみる。それでも相変わらずちっとも反応しない。

通りがかった散歩中のおじいちゃんに「あんたたち、会社行かなくていいのかい？」と声をかけられた

　立ち上げた状態でまっすぐ保ち続けるのが難しいのかもしれないと、QRコードを地面に広げ、木に登って読み取ってみることに。これならさすがにいけるだろう。

スーツ姿で木に登り、へっぴり腰でスマホをかざす大人

　ところがそんな木登りもむなしく、いっこうに認識するそぶりがない。「認識しようとするけどうまく読み込めない」という地点にすらたどり着けない。そもそもアプリがこれを「QRコードである」と認識すらしてくれないのである。

どうしよう

　代々木公園に到着してから1時間半。今のところ得られたものは全く役に立たないQRコード風の紙だけである。

　しかし、このまま終わりたくない。なんとかして巨大QRコードを読み取る方法はないものか。