現在のスタートアップの盛り上がりを語る上で、3人の口から何度も出た言葉が「アフターNokia」だ。一時は携帯電話の世界トップシェアを占め、フィンランド経済を牽引してきた同社の失速は記憶に新しい。とはいえ、悲観的な面だけではなく、プラスの側面も多いと彼らは話す。
「Nokiaの存在があるからこそ、僕らの世代にもテクノロジーに対するプライドやこだわりがあるのだと思う。世界のトップを走ってきた企業の中で育ってきた人材が、これまであった枠を超えて新しいアイデアで新しいものを生み出し始めている今は刺激的」(カスペル・スオマライネンさん)
大企業に就職することは絶対の選択肢ではない、むしろ学生のうちからチャンスはつかめる――スマートフォンが普及し、Webサービスやアプリ開発で当初からリスクなく世界を狙える中で、学生たちの意識の変化を実感する機会も増えているという。在学中に起業するケースなど、「まずやってみる」ことへの障壁は下がっているようだ。
フィンランドと同じように、製造業とハイテク産業に支えられてきた日本。いまだに就職活動では大企業志向が目立つようだと伝えると、自身も会社経営に関わるスオマライネンさんはこう答えた。
「ただ闇雲に変われとあおるのは多分意味がない。自分でやってみるのも面白そう、と内側から思ってもらうためにはすでに活躍する人に身近に会ったり、勢いある都市や海外で刺激を受けたりして自分の知らない世界を知ること。起業はお金もうけだけを求めるのではなく、自分のやりたいことを追い求める1つの手段だと思う」(スオマライネンさん)
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