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大画面iPhoneはSamsungの後追いではない──AppleのクックCEO、TV番組で語る

» 2014年09月14日 07時43分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米国の人気報道番組チャーリー・ローズショーは9月12日(現地時間)、米Appleのティム・クックCEOの50分にわたるインタビューを放映した。クックCEOは、9日に発表した新製品や故スティーブ・ジョブズ氏などについて語った。

 cook ティム・クック氏(左)とホストのチャーリー・ローズ氏(右)

 ローズ氏の「iPhone 6で韓国Samsung Electronicsに追い付きましたね」という言葉に対してクック氏は、実際には数年前に大きなサイズのiPhoneを出すこともできたが、ただ大きければいいというものではないので、ディスプレイやバッテリーの技術、ソフトウェアなど、すべての要素が整ってから出荷しようと考えたのだと語った。

 Apple Watchについても、開発は3年前から行っており、製品を市場に「最初に」出すのではなく、市場で「最高の」製品を出すことが重要だと語った。同氏はまた、著名なプロダクトデザイナーのマーク・ニューソン氏がApple Watchの開発に深くかかわったことを認めた。ニューソン氏を含むジョニー・アイブ氏のデザインチームが「身に付けるもので重要なのはテクノロジーだけでなく、スタイル(行動や生活の様式、流儀)であることを理解している」と評価した。

 cook ローズ氏にApple Watchを見せるクック氏

 クック氏が9日の発表イベントで「One More Thing」というジョブズ氏の有名な言葉を言ったことに触れて「スティーブは今どこにいますか?」とローズ氏が尋ねると、クック氏は「私の心に。AppleのDNAに」と答え、Apple本社の4階には今でもジョブズ氏のオフィスが、ドアのネームプレートも含めて存命中のままの状態で残してあると語った。

 Beatsの買収の目的は何かという質問には、共同創業者の才能が欲しかったのはもちろんだが、サブスクリプションサービスの「Beats Music」がAppleに必要だと思ったと答えた。クック氏は当初音楽のサブスクリプション制に懐疑的だったが、実際にBeats Musicと他の競合サービスを聴き比べた結果、Beatsが優れていることが分かり、「その夜は眠れなかった」という。Beats Musicの素晴らしさは人間によるキュレーションにあり、Appleに必要だと思ったと語った。

 インタビューではこの他、Appleは現在、「うわさにもなっていない」「ぶっ飛ぶような製品(blow-away)」を準備中であること、Apple TVも継続すること、「Apple Pay」について、ライバルだと考えているのは米Googleであること(SamsungはAndroid端末メーカーとしてはベストだがライバルではなく、米Facebookはライバルではなくパートナーであり、米Amazonはあまり売れていないハードウェアも出しているがハードウェアメーカーではないのでライバルではない)、ソーシャルサービスに参入するつもりはないこと、iCloudのデータ流出はハッキングされたのではなく、ユーザーがフィッシングなどで情報を盗まれた結果で、Appleのというよりはインターネットの問題だとしつつ、ユーザー保護対策強化に取り組んでいることなどを語った。

 12日に放映されたのは前編で、後編は15日に放映される。



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