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「調教いらず」CeVIOの新人歌手、熟女とおっさんを調教してみてわかったこと(4/4 ページ)

» 2015年03月19日 15時39分 公開
[松尾公也ITmedia]
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CeVIOらしい面白さが見えてきた

公式デモ

 さとうささらと合わせて合計7人の、歌唱スタイルが違う、歌手の「歌い方」がいつでも使えるというのは、なかなかできないことだ。ビブラート1つ取っても、速度の上げ下げ、深さの程度や、どういうところで入れるかの判断が相当に異なる。さらに「タメ」のタイミングなど、自分で手入力するなどとてもできそうにない。しかし、これがあれば、歌い方の引き出しを何個も持っているかのように使える。自分自身がバーサタイルな歌手にでもならない限りはなかなかできない相談だ。

 一方で、声質と歌い方が一体化していて分離できないという側面もある。トーンを曲の中で自由自在にコントロールするのであれば、現在のVOCALOIDが明らかに優位だ。CeVIOでは、VOCALOIDでGENに相当する、「声質」を曲単位で上下させることしかできない。複数トラックを使って簡易的にいくつかのトーンを使い分けるというのは可能だが。

 また、理想の歌い方が自分の中にあって、それを細かくパラメータ設定できるという人にとってはVOCALOIDのほうが使いやすいだろう。しかし、CeVIOの新シリーズはプロ歌手の歌い方がかなり忠実に再現でき、その上に自分の表現を構築することができる。ある程度の形になるところまでステップをすっとばせる。巨人の肩に乗る感じだ。

 ボカロPなど、バーチャル歌手に歌わせたい人だけでなく、自分で歌う人、歌い手にとって、CeVIOは自分のボーカルスタイルを追求する補助ツールになる可能性がある。プロの歌い方のテンプレートが1人あたり4000円ちょっとで入手できる。「自分専用の仮歌の人」としても役立ちそうだ。

 いろんな曲のオケを作って、銀咲おじさんや赤咲くん、白咲くんに歌わせて、それを自分でも歌って競ってみたい。個人的にはそんな野望も芽生えた。CeVIOらしい面白さが、ようやく見えてきた感じだ。

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