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「日本製炊飯器と温水洗浄便座が大人気」だが、うかうかしていられない 中国ユーザーの意識と、追い上げる中国メーカー(2/2 ページ)

» 2015年03月26日 09時45分 公開
[山谷剛史ITmedia]
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炊飯器や温水洗浄便座もうかうかしていられない

photo 調理器具メーカーSuperの炊飯器

 では訪日中国人がこぞって購入した炊飯器はどうか。中国には白物家電メーカーの「美的」などが、日本製によく似た炊飯器をハイエンドモデルで4〜5万円程度で販売している。

 最近、国営テレビ局・中央電視台の番組が、日本の炊飯器と中国の炊飯器を比べ、どちらで炊いたご飯がおいしいかというテストを行った。日本のローエンドモデルと中国のハイエンドモデルで比べるという、微妙にアンフェアではないかとも思える企画だったが、両方を食べ比べた人々の反応は、中国の「美的」製炊飯器によるご飯のほうが美味しいと答えた人がより多いという結果だった。

photo 中央電視台の中国産炊飯器もおいしいというアピール番組

 番組内では、ご飯の含水率や弾性、糖の含有量を数字で明らかにした。数字を明確に打ち出せば中国メーカー製品の説得力が増し、そのために買う層というのは一定数いる。今後、小米のような企業が国営テレビ局の1番組よりも説得力ある炊飯器の指標を出すようになれば、中国メーカーの製品がある程度売れるのではないかと思う。

photo 中国メーカーも温水洗浄便座をリリース

 温水洗浄便座にしても、中国のそれは水流が強烈過ぎて、用足し後に気持ちよく洗えない製品ばかりなのが現状。だが、製品の改良を重ね、中国の消費者を納得させられる物差し的スペックが示されるようなら、日本企業も中国企業にシェアを取られかねず、うかうかしていられないのだ。

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