組織委員会は佐野さんに、エンブレムの修正を依頼。最初の修正案で、円を中心に置いたデザインに変わり、Tの“ヒゲ”の部分が左下と右下に配置された。ただこのデザインだと円が目立ち過ぎ、躍動感が少なくなった印象があっため、さらに改善を依頼し、4月に最終案が出た。最終案でTの“ヒゲ”のパーツが左下から消え、リエージュ劇場のロゴに似たところがでてきた。
最終的に似た部分はあるものの、「エンブレムの成り立ちは、TとLを組み合わせたリエージュ劇場のロゴとは全く異なる」(武藤事務総長)。「五輪のビジョンを現しており、五輪・パラリンピックで対を成し、展開力を当初からイメージするなどリエージュ劇場のロゴにはない特徴がいくつもある。エンブレムデザインはオリジナルであると確信している」。
審査員の永井さんは、「グラフィックデザイナーから見ると、エンブレムとリエージュ劇場のロゴは全く違うと言える。全世界を探ればどんなものでも、少し似ているものは出てくる。少ししか似ていないが、少し似たのは全く偶然だと思っている」と話した。
今日になって原案を公表したのは、ベルギー側から訴状が届き、相手の出方が見えたため。「訴状が明快になったのでIOCと詰め、日本のみなさまの疑問を解く方が優先だろう」(槙マーケティング局長)と判断したという。
今後、エンブレムを使ったさまざまな展開を行う予定。「展開力を示すと同時に、エンブレムのすばらしさを国民にできる限り伝えるよう努力していきたい」(武藤事務総長)としている。
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