ニュース
2016年01月18日 09時48分 UPDATE

CD不況を予測、音楽を証券化 先見の人だったデビッド・ボウイ 死去で注目集める意外な功績 (1/3)

10日に死去した英ロック歌手、デビッド・ボウイさん。金融ビジネスの分野でも先駆的な存在だったとして、その功績が改めて注目を集めている。

[産経新聞]
産経新聞

 10日に69歳で死去した英ロック歌手、デビッド・ボウイさん。時代を先取りする音楽で世界の多くのミュージシャンに大きな影響を与えたが、金融ビジネスの分野でも先駆的な存在だったとして、その功績が改めて注目を集めている。1997年に、自身の楽曲の著作権が将来生み出す利益を証券化して資金を調達する「ボウイ債」を発行。何でもかんでも証券化してしまう最先端の金融ビジネスの草分けとなった。ボウイさんは、いずれ音楽業界ではCDが売れなくなり、インターネットなどで楽曲が聴き放題になるという、まさに現在の状況を予見し先手を打っていた。(SANKEI EXPRESS)

一瞬の躊躇もなかった証券化

 あまり知られていない金融ビジネスにおけるボウイさんの功績は、その死後、英紙フィナンシャル・タイムズや米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)、米経済通信社ブルームバーグなどが一斉に報じた。

 ボウイ債は、69〜90年に発売した「ジギー・スターダスト」(72年)や「レッツ・ダンス」(83年)といったアルバム25作に収録されている278曲が再販売やテレビ、ラジオなどでの使用で将来に生み出す利益を担保に発行された資産担保証券(ABS)の一種。米金融機関が5500万ドル(約65億円)で購入し、10年間で7.9%の利回りを実現した。

 世界初となる楽曲の著作権の証券化を手掛けたニューヨークの投資銀行家、デビッド・プルマン氏はWSJに「当初、彼は他のミュージシャンと同じように著作権を売却しようとしたが、楽曲は自分の子供のようなものだから、売りたくないと考えた」と当時を振り返った。そこで証券化を勧めたところ、「最初は『証券化とは何だ?』という反応だったが、私が説明すると彼は一瞬たりとも躊躇(ちゅうちょ)しなかった」という。「彼は新しいことへの挑戦が大切だということを自ら示した」と、プルマン氏はその決断をたたえた。

       1|2|3 次のページへ

copyright (c) 2016 Sankei Digital All rights reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -