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2016年02月22日 09時29分 UPDATE

シャープ・鴻海の“決裂”を期待、未練隠せぬ革新機構 “成立”なら日本勢に脅威 (1/3)

シャープが鴻海の傘下で立て直しを図る方向で本格協議に入った。当初は産業革新機構の支援を受ける方向だったが、シャープが土壇場で翻意。「日の丸連合」構想は実現が遠のいた。

[産経新聞]
産経新聞

 経営再建中のシャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下で立て直しを図る方向で本格協議に入った。鴻海とともに支援に名乗りを上げた官民ファンドの産業革新機構と、所管官庁の経済産業省はシャープの事業を“手駒”にして国内電機業界の再編に乗り出す戦略を描いていた。シャープも革新機構の支援を受ける方向だったが、土壇場の翻意で、そのシナリオは崩壊寸前だ。逆にシャープが外資傘下となって日本メーカーに牙をむく恐れも浮上し、日本の人材や技術を結集する「日の丸連合」構想は実現が遠のいた。(橋本亮)

画像 郭台銘会長(右)率いる鴻海精密工業との交渉を本格化させたシャープの高橋興三社長(中央)。左は産業革新機構の志賀俊之会長

事業統合に未練

 「1足す1が2以上になる。相乗効果はある。日本連合で戦うべきだと思う」

 8日の記者会見後、革新機構傘下の中小型液晶パネル大手、ジャパンディスプレイ(JDI)の本間充会長兼最高経営責任者(CEO)は、報道陣の取材に対しシャープとの統合に未練を隠さなかった。

 革新機構は、シャープ本体に出資して経営権を取得した後、液晶事業をJDIと統合させる計画だった。

^“日の丸液晶”戦略

 会見で、本間会長はシャープが鴻海傘下で再建を目指す方向となったことに、「一喜一憂はしていない」と強調し、単独で事業強化を進める考えを表明した。「シャープを競争相手として分析している」と説明したが、「多少の影響は出てくる」(革新機構幹部)との懸念は拭いきれない。

 シャープとJDIは、中国のスマートフォンメーカーや米アップルの「iPhone(アイフォーン)」向けの液晶パネル供給で火花を散らすライバルだが、韓国のサムスン電子やLG電子を含め、世界市場でのシェア獲得競争は激しさを増す。

 「シャープの生産技術が第三国に流れると脅威になる」(本間会長)との強い危機感も、経産省や革新機構がシャープとJDIの統合による“日の丸液晶”戦略を描いた背景にある。

 鴻海の郭台銘会長は「資金を投入し、設備などに投資したい。シャープの液晶を再び世界でナンバーワンにする」と意気込む。

 シャープは、高い技術力を持ちながらも経営状況の悪化から大規模な投資に踏み切れずにいた。しかし、今後は鴻海の豊富な資金力や販売網などを武器に、一気に攻勢をかける可能性が大きい。そうなれば、JDIが窮地に立たされかねないのだ。

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