この後、iPhone 7の10大特徴の最後に登場するのがFeliCaチップ搭載。フィル・シラーSVPは「日本は違うバージョンのNFCを使っているんだけど、それに対応して、iPhone 7とApple Watch Series 2に載せた」と。日本市場向けのサービスだ。実際に、Appleのサポートページでも、日本向けiPhone 7および7 Plusだけが、「iPhone 7 and iPhone 7 Plus models sold in Japan—A1779 and A1785—contain FeliCa for payment and transit with Apple Pay.」と、注記付きとなっている。
いわゆるおサイフケータイについては、このジャンルに詳しいジャーナリスト、矢作晃氏がエンガジェットでまとめている記事が、現時点で一番わかりやすく説明していると思われるので、そちらを参照していただきたい。ちなみに筆者は現在に至るまでおサイフケータイについてはほとんど何もしておらず、予約したiPhone 7 Plusジェットブラックが初めての電子マネー搭載携帯電話となる。
「Apple Payでは無記名式のSuicaでも、My Suicaや Suica 定期券と同じようにチャージ残高が保証され、さらなる安心をお客さまに提供いたします」「端末を紛失してもSuicaのチャージ残高は保証」と、JR東日本ではApple Payと連携することのメリットを訴求しているが、Android向けのモバイルSuicaにどれだけ寄せて、どこを差別化していくのかが注目だ。
シラー氏が発表したもう1つの日本スペシャルは、「Transit for Japan」「乗り換え」だ。2012年のiOS 6でAppleはGoogleマップを標準とするのをやめ、ルート検索や案内を自社で実装するために独自開発したのだが、その地図がずさんで問題化。日本ではパチンコガンダム駅問題として知られている。
クックCEOは謝罪し、詰め腹を切らされる形でiOSの開発責任者だったスコット・フォーストール副社長は辞任。地図自体の品質は翌年の3月にようやく一定レベルまで戻ったものの、「Appleマップ」への信頼度は地に落ちた。
そして、日本での交通機関経路検索はこの後4年間、空白のままだ。
それがiOS 10でようやく復活する。Googleマップアプリなどのサードパーティーアプリを使えばいいとはいえ、純正アプリが明らかに劣化してしまった状態が4年も継続していたのだ。
こちらはiPhone 7、7 Plus以外のiOSデバイスでも享受できる機能だ。
また、日本市場で強く求められてきた「耐水」にも対応。これで、2倍の音量になりステレオ化したスピーカーからApple Musicでも流しながら長風呂ができる。
ここまで読んでいただいてたいへん申し訳ないが、実は、このAppleイベントの発表内容を1分47秒で理解できるビデオ「Apple – iPhone 7 and iPhone 7 Plus in 107 seconds」がAppleのYouTubeチャンネルで公開されている。
ただし、英語力と強い動体視力が必要だ。
ティム・クックがCarpool Karaokeで歌うふるさと讃歌に始まり、「drop the mic」で終わる。このdrop the micというのは、Late Lateの人気コーナーの1つ。ジェームズ・コーデンとゲストがラップバトルをする。相手をやり込めたと確信してマイクを落とすことを「drop the mic」と言うのだが、その「勝利宣言」がマイクを落とす、という行為なのだ。
そして、このCMも、イベントで使われたマイクを落として終了。もう、わかってくれたはずだよね。そんな感じだ。
ゴトン(そしてハウリング)。
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