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2016年10月07日 10時55分 UPDATE

「IT企業と話し合って関係を改善したい」とFBIサンフランシスコ支局長 iPhoneロック解除のキーパーソン (1/3)

銃乱射犯が持っていたiPhone 5cの中に重要な情報はなかった。ロック解除を推進したFBIの担当者はAppleをはじめとするテック企業との関係を修復できるだろうか?

[AP通信]

 2016年3月のとある日曜日、米連邦捜査局(FBI)特別捜査官のジャック・ベネット氏(52)はバージニア州クワンティコにあるFBIのコンピュータ犯罪捜査のラボにいた。外部の企業がFBIに対し、前年12月にカリフォルニア州サンバーナーディーノで起きた銃乱射事件の犯人が使用していたiPhoneのロック解除方法を教えにきていたのだ。

photo ベネット捜査官(AP Photo/Eric Risberg)

 このツールを使えば、iPhoneのロック解除をめぐるAppleとの争いに終止符を打つことができる――。だが現場にお祝いムードは一切なかったという。

 「ハイタッチをする人も、廊下で歓声を上げる人もいなかった」とベネット氏は当時を振り返る。「皆、完全に仕事に集中していた。“よし、実際にiPhoneでやってみよう。このツールを購入するにはどうすればいい?”といった具合だった」

 iPhoneのロック解除をめぐる争いは、FBIとシリコンバレーのIT企業の間にある亀裂を浮き彫りにし、個人のプライバシーと国家の安全との適切なバランスをめぐる議論を巻き起こした。当時、FBIのデジタルフォレンジックラボの所長として、この議論の中心にいたのがベネット氏だ。デジタルフォレンジックラボはコンピュータなどのデバイスから証拠を見つけ出すための専門組織であり、サンバーナーディーノでの銃乱射事件の犯人が使用していたiPhoneのロック解除を任されていた。

 現在FBIサンフランシスコ支局長を務めるベネット氏は、「シリコンバレーのIT企業とFBIとの溝を埋めること」を自らの役割の1つと考えている。

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