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日本と海外でキーボードが全然違う!? PCローカライズに込めた熱い思想“中の人”が明かすパソコン裏話(3/5 ページ)

» 2016年10月13日 11時00分 公開

 ピアノとシンセサイザーの鍵盤で例えてみますと、ピアノは弦を叩くハンマーが内部にあり、鍵盤を押したときに勢いよく叩く構造になっているので、鍵盤にある程度の重さがあります。しかも、左側が重く、右側に行くにしたがって軽くなります。一方、多くのシンセサイザーのキーボードにはそのような構造はないので、全音程で軽いタッチになります(中にはピアノ鍵盤のような重さを持たせたシンセサイザーもあります)。

photophoto ※イメージ画像

 実は私はシンセサイザーの軽いタッチが好きなのですが、ピアノまたはピアノタッチでなければ調子が出ない人もいると思います。また、軽いタッチのシンセサイザーでも機種ごとに微妙に違うことから、そこに自分に合う楽器を選ぶ楽しさがあると思います。

 PCのキーボードも固め、柔らかめなど違いがあります。好みはさまざまだと思いますし、そこには選ぶ楽しさがあるかと思いますので押しつけは禁物ですが、一般論では、キーボードの反発力が強いと指に力が必要となり疲れやすく、軽すぎても打鍵感がなく気持ちが悪いと感じるようです。どれが正解とも言えない、実に奥深き世界がそこにはあります。

 当社のビジネス向けノートPCで採用しているキーボードは、押し始めてから徐々にキーの反発力が強くなっていき、ちょうどキーを半分まで押し込んだところで反発力がピークとなり「カクン」と落ち込み、押し切ったところでまた反発力がグンと強くなり指を押し戻すような作りになっています。そして、この設定が全てのキーで均一になるようチューニングしています。

photo キー反発力の変化グラフ。キーごとにばらつきのある状態(左)、キーごとのばらつきが抑えられた状態(右) ※縦が反発力の強さ(単位gms)、横軸が押し込んだ深さ(単位mm)

 このような設計により、適切な反発力とストロークを感じながら、1日中メールや文書作成を行うような環境でも仕事に最大限集中していただけることを目指して作り込んでいます。

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