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2016年12月02日 09時30分 UPDATE

平和な江戸の世は仕事がなかった? 甲賀忍者の厳しい“実情”、大量の古文書から判明 (1/4)

江戸時代、甲賀忍者の仕事はほとんどなくなったが、“有事”を見据えて鍛錬を怠らない――大量の古文書から、甲賀忍者の暮らしぶりが分かってきた。

[産経新聞]
産経新聞

 年に一度、雇い主の大名の城に出向いて鉄砲の撃ち方を武士に指南するが、普段は地元で農民として暮らす。しかし大名に一大事があれば、すぐに駆けつけて特殊任務にあたり、そのための火術や居合術、忍術を会得している−。「甲賀忍者」で知られる滋賀県甲賀市で見つかった大量の古文書の解読作業を通して、江戸時代にこの地域の地侍が、「御忍役人」としての“裏の顔”を持ちながら生活していた様子などが分かってきた。江戸の平和な世にあって忍びの仕事はほとんどなくなったが、“有事”を見据えて鍛錬を怠らないなど、興味深い暮らしぶりがうかがえる。

「忍役人」と書かれた貴重な文書も

 長短約150もの古文書が見つかったのは、甲賀市甲南町杉谷の渡辺俊経さん(78)宅。渡辺さんは甲賀忍者の末裔(まつえい)に当たり、同市内に残る古文書の解読や実地調査を進めている「甲賀忍術研究会」の副会長も務める。

画像 自宅の蔵から見つかった古文書を見る渡辺さん=甲賀市
画像 渡辺俊経さん宅から見つかった古文書の一例

 古文書は、「渡辺善右衛門」などの名を代々引き継いできた渡辺さんの先祖が尾張徳川家に仕えたときの誓約書に当たる「起請文(きしょうもん)」をはじめ、忍術や居合術、鉄砲などの火術・炮(ほう)術など各種「兵法」に関する書類。ほかに家系図などもあり、幅広く資料が残っていた。

 現在解読作業が続いているが、甲賀市教委の伊藤誠之・甲賀市史編纂(へんさん)調査員は「江戸時代に雇われた甲賀者に関する古文書では、これまで見つかったものに比べ多くの種類が含まれており、当時の甲賀者が家にそろえていた『典型的な古文書群』の一例となる可能性がある」と話す。

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