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2017年01月20日 15時57分 UPDATE

「フェアリーサークル」生み出すのはどんな仕組み?

直径数十メートルに及ぶアフリカ南部の謎のサークル。その原因を多くの研究者が探ってきたが、あまりロマンティックではない新説が発表された。

[AP通信]

 アフリカ南部の砂漠に点在する謎めいた“フェアリーサークル(妖精の輪)”の背後にあるのは、超自然的な力ではないようだ。これは、複雑に入り組んだ現象だという。

 ナミビアのナミブ砂漠の草原地帯には、草が生えていない直径十数メートルの円形が規則的に点在。地表に見事な模様を生み出し、地元の人たちや科学者にとって長年の謎となっている。サークルの内側には何も生えていないが、縁の部分には植物が茂っている。同じような円形の模様は、オーストラリアでも発見されている。

 「妖精のしわざ」や「ドラゴンの吐息の跡」など、フェアリーサークルを超常現象ととらえる向きもいる。だが米プリンストン大学の生態学者らはこの度、この謎の現象を説明する新しい説——それほど謎めいてはおらず、おそらくそれほど魅力的でもないが——を発表した。英科学誌「Nature」が1月18日に掲載した論文によれば、研究者らはコンピュータシミュレーションを用いて、こうした珍しい模様は「動物と植物の協力と競争が複雑に組み合わさって形成されたものである」との結論を得たという。

 論文の主執筆者であるコリーナ・タルニータ氏は、フェアリーサークルを「シンプルかつエレガントな非常に大規模な幾何学模様」と呼んでいる。

photo ジェン・ガイトンさん提供によるナミブ砂漠のフェアリーサークル(Jen Guyton/www.jenguyton.com via AP)

 この論文が発表されるまでは、競合する2つの説があった。フェアリーサークルはシロアリが作り出したという説と、サークルの周囲の植物が作り出したという説だ。タルニータ氏の新説はこの両方の考えを取り入れている。同氏によれば、直径2〜30メートルの巨大なサークルは主にシロアリが植物の根を食べることでできたものだという(シロアリには、同じコロニーの仲間とは協力し、他のコロニーのアリとは戦う特性がある)。一方、そうした巨大なサークルとサークルの間に広がる規則的な模様は植物によるものだ。砂漠の限られた水を奪い合わずにすむよう、植物は整然と根系を形成している。

 「こうしてそれぞれが、自分がしなければならないすることで、この大規模な模様が生まれている」とタルニータ氏。

 草が生えない部分が円い形をしているのは、シロアリが他のコロニーを避けながらも、自分のコロニーからできる限り遠くまで進もうとする結果だという。

 論文の共同執筆者であるロバート・プリングル氏によれば、シロアリは仲間同士協力して模様を作ろうとしているわけではない。「マスタープランはない。どのような模様にするか、設計図のようなものがあるわけではない」と同氏は語る。

 AP通信が問い合わせた外部の数名の専門家は、この論文に納得していなかった。降水量のほか、とりわけシロアリのコロニーの寿命に関する前提に疑問があるからだという。

 ただし彼らとて、妖精のしわざと思っているわけではない。

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