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2017年02月20日 09時12分 UPDATE

コウモリのように翼をはためかせて飛行する小型ドローン「Bat Bot」の試作機が完成

バットケーブに住んでいるのは実はこういうロボットだったりしないだろうか。

[AP通信]

 すごいドローンだよ、バットマン! 航空力学の専門家たちが、コウモリのように空を急上昇、急旋回、急降下する小型ドローン「Bat Bot」を完成させた。いずれは他のドローンよりもはるかに上手に飛行できるようになる可能性を秘めているという。

photo コウモリロボット(Alireza Ramezani/University of Illinois via AP)
phoo 本物のコウモリ(Andrea Rummel/Brown University via AP)

 試作ドローンの重さは約85グラム。コウモリ独特の柔軟な飛び方を真似することで、災害現場への立ち入りや建設現場の測量などを、回転ローターを搭載するかさ高なドローンよりも上手にかつ安全に実行できる。2月1日に学術雑誌「Science Robotics」に発表された研究論文の3人の著者はそう説明する。「例えば、東日本大震災で被災した福島の原子力発電所内部への立ち入りに使えれば理想的だった」と共同著者の1人、イリノイ大学工学部教授のセス・ハッチンソン氏は語る。

 このコウモリ型ドローンは、翼をはためかせながら空中を自由に飛び回り、滑空飛行でエネルギーを節約し、必要に応じて急降下する。研究者らは、いずれ本物のコウモリのように逆さまにぶら下がれるようにしたい考えだが、それはまだ先の話だという。

 コミック雑誌から生まれた悪と戦うヒーロー「バットマン」と同様、このドローンはコウモリから着想を得て開発された。

 「コウモリが翼を巧みに動かし翼の形を変えながら、急旋回したり急降下したり木に逆さまにぶら下がったりしている様子を見るたびに、私はうっとりする」。共同著者の1人、カリフォルニア工科大学航空宇宙工学教授のスンジョ・チュン氏はそう語る。

 Bat Botは9つの関節を持ち、頭部から尾までは約20センチ。超薄型の飛膜は、広げると約45センチになる。両翼は1秒間に最大10回まではばたかせることが可能だ。「柔軟なはばたきがパワーアンプのような役割を果たす」とハッチンソン氏は語る。

 まだこの先、カメラを追加し、多数のドローンを組み立て、連邦航空局から飛行許可を得る必要があるが、ハッチンソン氏によれば、こうしたコウモリ型ドローンは5年後には工事現場や災害地域で実用化されている可能性があるという。ブラウン大学の研究チームがコウモリの飛行方法を研究するなど、このドローンの開発には既に3年の歳月と150万ドルが費やされている。

 外部のロボット専門家はこのドローンに感心しながらも、慎重な姿勢を示す。

 「固定翼の小型ドローンは機動性に欠け、4つのローターは効率的でないので、コウモリから着想したというデザインは、研究分野としては非常に興味をそそられる」とペンシルベニア大学工学部のビジェイ・クマール教授は語る。ただし、「こうした設計が実際に優れているかどうかを判断するのは時期尚早」だという。

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