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2017年03月17日 15時36分 UPDATE

「地球温暖化で動物が小さくなる」に新たな証拠 米研究 (2/2)

[AP通信]
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 キツネザルに似た最古の霊長類とされる動物についても、4%ほどの小型化が確認された。4%では、それほど大きな変化には思えないかもしれない。だがダンブロジア氏によれば、これは注目に値する変化だという。この動物の何百万年間にわたる変化を調べる研究では、通常この動物が歳月とともに大型化することが分かっているからだ。

 約5600万年前の地球温暖化の際に、ウマ科の祖先などの哺乳動物が小型化したことは、既にこれまでの研究で証拠が提示されている。また科学者や農業家は長らく、牛などの動物の変化を追跡し、地球の高温期には身体が小さくなり、ミルクの量が減ることを確認済みだ。

 今回の研究結果は、地球温暖化と哺乳動物の小型化の間に何百万年というスパンで関連性があることを示している。

 「非常に重要な研究成果だ。気候が哺乳類の身体の大きさに変化を促すかどうかについて、新たな証拠が提示された。こうした小型化が繰り返されることを確認できれば、私たちはそこから学ぶことができる。将来の気候変動に動植物がどう反応するかを考察する上で、非常に重要な手掛かりとなるだろう」。フロリダ州自然史博物館で古脊椎動物学の学芸員を務めるジョナサン・ブロック氏は、そう指摘する。同氏は今回の研究には参加していない。

photo (AP Photo/Abigail D'Ambrosia Carroll)

 ダンブロジア氏の研究と、約5600万年前の地球温暖化についての以前の研究は、どちらもワイオミング州ビッグホーン盆地で採掘した化石を使用している。ダンブロジア氏によれば、哺乳動物の小型化がこの地域だけで起きたとは考えにくいという。

 哺乳類などの温血動物は、気候が温暖なほど、より多くの熱を放出する必要があるため、身体が小さくなることが知られている。小型の動物のほうが大型の動物よりも体重当たりの体表面積が大きく、より多くの熱を逃がすことができるので、温暖な気候に適している。一方、大型の動物は体重当たりの体表面積が小さく、その分、体温の損失が少ないので、寒冷な気候に適している。

 プリンストン大学の気候科学者マイケル・オッペンハイマー氏によれば、約5600万年前の地球温暖化は約5400万年前のものよりも規模が大きく、気温は摂氏5.8度以上上昇したとみられている。恐らく海底に堆積した動植物の遺骸から大量のメタンが放出されたことが原因だという。

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