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2017年04月28日 07時39分 UPDATE

「隣人がドラキュラに」 東芝幹部の発言から読み解く「メモリ」争奪戦の行方 (1/4)

東芝が進めている半導体メモリ事業の売却交渉が混戦模様だ。

[SankeiBiz]

 東芝が進めている半導体メモリー事業の売却交渉が混戦模様だ。3月末に行われた1次入札で売却先候補は当初の10社程度から半分程度に絞られたようだが「難しい人が多い」と東芝幹部の表情は晴れない。東芝の生き残りをかけて高値売却を狙うが、一方で政府や提携先の思惑などが複雑に入り乱れている。こうした中、米投資ファンドと官民ファンドなどの日米連合が一躍、争奪戦の有力候補として急浮上してきた。

画像 決算発表後の記者会見に臨む東芝の綱川智社長。監査法人の「承認なし」となったことなどについて説明した=4月11日午後、東京都港区の本社

 東芝が半導体メモリー事業を分社して設立した「東芝メモリ」の売却先を決める1次入札は3月末に締め切られ、海外の企業やファンドなどが参加した。関係者によると、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業、提携関係にある米半導体大手ウエスタンデジタル(WD)、韓国半導体大手SKハイニックス、米投資ファンドのシルバーレイク・パートナーズと組む半導体大手のブロードコムが2兆〜3兆円の買収金額を提示し、有力候補として残っているという。

 東芝が上場廃止を回避して再建にめどをつけるには平成30年3月末までに売却し、債務超過を解消するのが必須だ。東芝の望む2兆円超の買収提案はおおむねクリアしているはずなのに、何が問題なのか。東芝幹部の発言をたどると、その難しさが浮かび上がる。

 「経済産業省が大嫌いだし、無理だと思いますよ」(東芝幹部)

 金額だけでみれば、最大3兆円に近い買収額を用意すると伝えたという鴻海が最有力。だが、政府は官公庁や企業のデータセンターなどに使われる東芝の半導体メモリー技術が中国に流出することを懸念。中国と関わりが深い鴻海に売却しようとすれば「外国為替及び外国貿易法(外為法)」に基づき阻止する構えだ。

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