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2017年05月01日 07時51分 UPDATE

宇宙誕生の謎探る……つくばの高エネルギー加速器に「ベル2測定器」設置 (1/3)

加速器施設「スーパーKEKB」に4月、高性能の「ベル2測定器」が取り付けられた。

[産経新聞]
産経新聞

 宇宙誕生の謎や暗黒物質の正体を探る高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)の加速器施設「スーパーKEKB」に4月、高性能の「ベル2測定器」が取り付けられた。従来の施設「KEKB」は2008年の小林誠、益川敏英両氏のノーベル物理学賞受賞に貢献している。関係者は今年11月からの観測で、再度ノーベル賞を取りたいと意気込む。柳の下に2匹目のどじょうはいるのか−。(原田成樹)

画像 スーパーKEKBに装着された「ベル2」測定器=4月13日、茨城県つくば市(原田成樹撮影)

消えた反物質の謎

 1999〜2010年にKEKBで行われたベル実験では、現在の宇宙の成り立ちを説明するに当たって不可欠な「CP対称の破れ」が起きる理由を予言した小林・益川理論を裏付けた。

 物質は原子より小さい粒子が集まってできており、最小単位を素粒子と呼ぶ。宇宙の始まりであるビッグバンは無から生まれ、最初は粒子と、電荷が正負反対の反粒子が同量できたとされるが、現在は反粒子は消滅し、宇宙は粒子でできた物質でほぼ占められている。こうなるには、粒子と反粒子で崩壊に時間差があることが必要だ。小林・益川理論は、陽子や中性子を作る粒子であるクォークが3世代、計6種類あればCP対称性が破れる−つまり粒子と反粒子で崩壊までの時間差が生まれることを示した。

 ベル実験は、電子とその反粒子である陽電子を光速の近くまで加速させて衝突させて宇宙の初期に起きたとされるさまざまな粒子の反応を再現し、3世代目のボトムクォークを含むB中間子(クォークと反クォークからなる不安定な物質)と反B中間子で崩壊までにわずかな時間差があることを確認した。

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