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2017年05月16日 15時39分 UPDATE

ランサムウェア「WannaCry」の攻撃から世界を救った22歳の青年 「自分はヒーローではない」 (2/2)

[AP通信]
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 Kryptos Logicは世界中の企業や政府機関、個人のためにオンライン脅威と戦う数百社のセキュリティ企業の1つだ。

 ハッチンズ氏は世界的なセキュリティコミュニティーの一員として、常にサイバー攻撃に目を光らせ、その阻止に取り組んでおり、Twitterでもよく情報を発信している。このコミュニティーでは、報復的な攻撃から身を守り、プライバシーを確保するために別名を使うのは珍しいことではない。

photo マーカス・ハッチンズ氏(AP Photo/Frank Augstein)

 ハッチンズ氏は「MalwareTech」というハンドル名で長年Twitterを利用してきた。プロフィール写真には、大きなサングラスをかけた、すました表情の猫が使われている。だが今回の一件の後では、このまま匿名性を維持するのは難しそうだ。

 何しろ、ハッチンズ氏は今やコンピュータ業界の有名人だ。同氏には、FBIの他、英国のサイバーセキュリティ当局からも連絡があったという。

 「MalwareTechというアカウントは皆に知られてしまったので、もう使おうとは思わない」と巻き毛の若者は肩をすくめ、愛きょうのある笑顔をみせた。

 今回の一件は大きな変化をもたらしそうだ。ハッチンズ氏は現在イルフラクームで家族と暮らし、寝室に超大型画面を3つ並べた高性能なコンピュータ環境で仕事をしている。ハッチンズ氏はすぐに地元のヒーローになるだろう。ただし彼の話しぶりからすると、有名人としての生活は短期間で終わりそうだ。

 「1回はインタビューに応じなければと思った」とハッチンズ氏は語る。そのたった1回のインタビューでさえ、注目を好まないハッチンズ氏はとても緊張した様子で、最初、カメラの音声レベルを調整中には自分の名字のスペルを誤り、Hutchinsの“n”を抜かしてしまうほどだった。

 母親で看護士のジャネットさんは、今回の件をこの上なく誇りに思っており、匿名のベールが取り払われてうれしいという。

 「大声で叫びたかったけれど、できなかった」とジャネットさん。

 だが今後は大勢が彼の動向に注目することになるだろう。調査会社CyberSecurity Venturesは、サイバーセキュリティに対する世界の支出額は2004年の35億ドルから、今年は1200億ドルに急増すると予想。支出は今後5年間に毎年12〜15%の勢いで増加する見通しだという。

 「他の情報技術セクターの支出はいずれも非効率性の排除と生産性の向上を目指したものだが、サイバーセキュリティセクターの支出はサイバー犯罪によって伸びている。近年は前例のない規模でサイバー犯罪が活発化し、サイバー支出は膨れ上がる一方であり、アナリストにも追跡はほぼ不可能となっている」と同社は2月のレポートで指摘している。

 熱心なサーファーでもあるハッチンズ氏。WannaCryの問題が一段落したら、休暇を取り、会社の負担でラスベガスとカリフォルニアを旅行する計画だという。

 彼が何をするつもりか、1つ分かることがある。そう、サーフィンだ。今度はネットではなく本当の波の上で。

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