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2017年05月22日 07時19分 UPDATE

PC機内持ち込み禁止令の欧州への適用拡大めぐり米欧当局が協議 当面は見送りへ (1/2)

世界で最も多くの便が行き交う大西洋航路。とりあえず混乱は回避された。

[AP通信]

 欧州から米国に向かう航空機内へのノートPCやタブレットの持ち込みを禁止するという米政府の提案をめぐり、5月17日、米欧当局が協議し、当面は実施を見送ることが決定した。さらに双方は、今後のさらなる協議と諜報情報の共有推進を約束した。

 ドナルド・トランプ米大統領は先週ホワイトハウスでロシアの外交官らに対し、この禁止措置を提案した根拠となるテロの脅威について詳しく語ったとされており、欧州連合(EU)の当局者もその詳細についての説明を求めていた。

 航空業界は強い表現の文書でこの提案への反対を表明。このような措置が実現すれば、大西洋横断便を運航する航空各社にとって大きな痛手となり、労働損失時間が乗客にもたらす損失は10億ドル以上になると指摘している。

 米国国土安全保障省とEUの当局者らは17日、ベルギー・ブリュッセルのセキュリティが確保されたとある部屋で会談し、航空機テロの脅威について情報を交換。この会談に同席した関係者によれば、新たな禁止措置は差し当たり「交渉のテーブルから外された」という。この人物は事案の機密性から匿名を条件に語った。

 会談ではさらに、航空安全基準や脅威の検出能力についても詳細な情報を共有。協議後に発表された共同声明によれば、双方は「航空機の旅客の保護に向けてさらに詳しくリスクと解決策を検討し、全世界で航空機の円滑な運航を確保」すべく、来週再びワシントンで協議することで合意したという。

 なお機内持ち込みのノートPCを使ったイスラム過激派組織ISによるテロ攻撃の計画について、トランプ大統領がロシア外相と駐米大使に詳細を説明したことに関して、ホワイトハウスは大統領を擁護している。

 機内への電子機器の持ち込み禁止が欧州出発便に拡大されることになれば、世界で最も多くの便が行き交う大西洋上の航空航路に大混乱をきたす恐れがある。欧州と北米を結ぶ航空航路では毎日400便近くが運航し、年間6500万人もの人たちが行き来しており、その多くは電子機器を使って上空で仕事をしているビジネス客だ。

 今回の提案が現実となれば、その影響は、今年3月に主に中東からの出発便を対象に導入された最初の禁止令よりもはるかに大きなものとなる。3月の禁止令が対象としているのは、中東と北アフリカの10空港から米国に向かう1日約50便だ。

 265社の航空会社が加盟する国際航空運送協会(IATA)は16日、EUと米国務省に書簡を送り、この禁止措置への反対を表明。「このような禁止措置は経済に深刻な影響を及ぼし、乗客の労働損失時間は金額に換算すると11億ドルになる」と指摘した。

photo IATAに掲載された危険物規制に関する告知(Image/ITmedia via IATA)
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