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2017年06月02日 07時01分 UPDATE

坂口至徳の科学の現場を歩く:世界初「可視光」で水素を生成、阪大の産研が高効率の光触媒 (1/2)

大阪大学産業科学研究所の研究グループは、黒リンなどを使った光触媒を開発。可視光や近赤外光にも応答し、水からの水素生成を効率よく起こすことに初めて成功した。

[産経新聞]
産経新聞

 太陽光エネルギーを受けて水から水素をつくり出す光触媒は、二酸化炭素(CO2)を出さないクリーンな水素の使用が主力になる時代に欠かせない材料だ。このため、実用化に見合う性能に向上する研究が各国で進んでいる。その中で大きな課題のひとつは、太陽光に含まれる紫外光、可視光、近赤外光という異なる波長の光のエネルギーをすべて吸収して水素を生産する効率を高めることにある。なぜなら、これまでの光触媒のほとんどが利用している光は、太陽光全体の3−4%に過ぎない紫外光のみ。44%を占める可視光、52%の近赤外光は吸収できなかったからだ。

黒リンなど3材料の複合体

画像 黒リン(BP)、チタン酸ランタン(LTO)、金ナノ粒子(Au)の3物質からなる光触媒の電子顕微鏡写真(大阪大学産業科学研究所提供)

 大阪大学産業科学研究所の真嶋哲朗教授らの研究グループは、リン(P)の一種で幅広い波長の光を吸収する黒リン(BP)という物質などを使った光触媒を開発。可視光や近赤外光にも応答し、水からの水素生成を効率よく起こすことに初めて成功した。太陽光を無駄なく利用し、実用化するための突破口を拓(ひら)く技術開発につながりそうだ。

 光触媒は光の照射により、化学反応を進める触媒の作用があり、水を分解して水素と酸素を出したり、壁に付いたゴミなど有機物を分解したりする作用もある。代表的な物質は、本多・藤島効果で知られる二酸化チタン(TiO2)だ。

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