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2017年06月13日 07時47分 UPDATE

衝撃的被曝で「ずさん」続々 核物質26年放置 除染不十分 汚染室内に3時間…… (3/4)

[産経新聞]
産経新聞

汚染された部屋に3時間とどまる

 作業員は同11時37分、自分たちの手足が放射性物質で汚染されていることを確認。報告を受けた機構は正午、現地対策本部を設置した。その後、部屋から5人の退出が始まったのは午後2時半だった。作業員は放射性物質で汚染された部屋に3時間以上、とどまっていたことになる。

 なぜ、これだけ時間がかかったのか。

 汚染された可能性がある部屋から作業員らを退出させる場合、汚染が外に持ち出されることを防ぐために、通称「グリーンハウス」と呼ばれる退出用設備を部屋の出入り口に設ける必要がある。機構によると、グリーンハウスの設置が開始されたのは、汚染が確認されてから約1時間40分後の午後1時15分だった。「ハウス用の部材を集めるのに時間がかかった。今回のような汚染が生じるという前提で装備はしていなかった」というのが機構側の言い分だ。

画像 事故が起きた燃料研究棟の廊下に設けられた作業員退出用の「グリーンハウス」(原子力機構提供)

 この3時間、5人が部屋のどのあたりにいたのかも「把握していない」としている。

除染不十分のまま体内被曝検査か

 9日夜の会見で、機構の西川信一安全・核セキュリティ統括部次長は「放射線医学総合研究所での1回目の肺検査で、プルトニウムは5人とも検出されていない」と明らかにした。これにより、7日に機構が発表した「50代男性の肺から2万2000ベクレルのプルトニウム239を検出」、それを基にした「被曝総量は36万ベクレル」という推計が宙に浮き、「将来、健康被害が出る恐れが否定できない」という見解も根拠が失われた。

 機構は事故当日の6日午後6時52分、「全員の除染が完了」とし、5人は別の施設に移動。そこで50代作業員から2万2000ベクレルが検出された。ところが、7日に5人を受け入れた放医研は「4人に体表面汚染が確認された」と公表。機構の除染が不十分だった可能性が高く、機構が十分な除染をせずに作業員を施設外に出してしまったことも明らかになった。

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