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2017年06月23日 09時59分 UPDATE

IT大手のCEOらがホワイトハウスで会合 政府ITシステムの効率化をめぐり

ティム・クック氏、エリック・シュミット氏、ジェフ・ベゾス氏ら大物が集った。

[AP通信]

 米政府は6月19日、IT大手のCEOらに対し、政府ITシステムの効率化に向けたドナルド・トランプ米大統領の取り組みへの協力を要請した。

 「目標は、連邦政府のITシステムを全面的に改革し、国民へのサービスを向上させ、サイバー攻撃からの防御を強化することだ」とトランプ大統領は語り、一連の取り組みによって今後10年間で最大1兆ドルのコストを節約できるとの見通しを示した。

 会合にはAppleのティム・クックCEOやGoogleの親会社であるAlphabetのエリック・シュミット会長などが参加し、政府のITインフラやサイバーセキュリティ、外国人向け就労ビザなど、さまざまなテーマを議題とする作業部会が開かれた。これまでトランプ政権はイスラム教徒が大半を占める6カ国からの入国を禁止する大統領令に署名するなど、不法移民に厳しい姿勢で臨んでおり、IT企業とは緊張した関係にある。

photo エリック・シュミット氏(AP Photo/Susan Walsh)

 「皆さんが自社に必要な人材を確保できるよう、私たちは議会も含め、皆と協力して移民問題に熱心に取り組んでいる」とトランプ大統領は語った。

 会合に参加したIT企業のトップや大学関係者からは、トランプ政権への追従と政策に関する要望の両方が出された。AppleのクックCEOは全ての公立学校でコンピュータプログラミングの授業を必修とするよう要請。Microsoftのサティア・ナデラCEOは、労働者にはもっとIT中心の経済に対応できるスキルが必要だと主張した。Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏は政府に対し、商業用技術を使ってコストを削減することや、人工知能(AI)を活用して政府サービスを改善することなどを提案している。

 また著名ベンチャーキャピタリストのジョン・ドーア氏は、ヘルスケア改革の実現に向け、政府のデータベースを民間企業に開放するよう要請。「政府がデータを開放すれば、残りのことは企業家たちが何とかする」と大統領に進言した。

 今回の会合は、ホワイトハウスに新設された米国革新局(OAI)がテクノロジーをテーマに開催した初めてのイベントだ。OAIはビジネス界のアイデアを生かして政府業務を全面的に見直し、合理化することを目的とした組織であり、トランプ大統領の娘婿で大統領のシニアアドバイザーであるジャレッド・クシュナー氏が責任者を務める。会合ではOAIの取り組みをめぐり、クシュナー氏や、その妻でありトランプ大統領の娘でアドバイザーでもあるイヴァンカさんへの賛辞も聞かれた。

 クシュナー氏は会合で、米国防総省のレガシーシステムではいまだにフロッピーディスクを使用しているなど、政府のITインフラの現状について幾つかの例を紹介した。

 なお一部のIT企業はパリ協定から離脱するというトランプ大統領の判断に反対しており、今回の会合でも、AppleやGoogleのCEOを含む多くのIT幹部らが大統領にパリ協定への残留を訴えた。今年2月には、FacebookやLinkedIn、Intelをはじめとする100社近くの大手IT企業が、トランプ大統領の入国禁止令に共同で抗議している。

 ただしIT幹部の間にはトランプ大統領の一部の政策に賛同する動きもある。ホワイトハウスが先週、見習い制度の拡充を提唱した際には、IBMの職業訓練プログラムが引き合いに出され、注目を集めた。Intelは今年2月に大統領執務室でトランプ大統領と会談し、アリゾナ州の工場建設に70億ドル以上を投じる計画を発表。大統領は「米国の労働者にとっての勝利だ」として、この決定を歓迎した。

 ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官によれば、トランプ政権は今週テクノロジーの問題に重点的に取り組むという。「連邦政府には最適化の余地がまだまだある」と同氏は語る。

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