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2017年07月30日 12時00分 UPDATE

新しい「物語」を創る――Intelが夜空にドローンを浮かべる理由 (1/2)

8月5日まで長崎・佐世保のハウステンボスで開催される「近未来・ドローンショー」。このショーにドローン300台を提供し、そのオペレーションを担当したのがIntelだ。そもそも、Intelがドローンを使ったライトショーに注力しているのはなぜなのだろうか。

[井上翔,ITmedia]

 ハウステンボス(長崎県佐世保市)では8月5日まで、米Intelとhapi-robo st(東京都港区)と共同で「インテル Shooting Star ドローン・ライトショー」を開催している。最終日の8月5日には、サマーソングスペシャルメドレー花火も併催する予定となっている。

 このショーにおいて、Intelはドローンを提供し、オペレーション(ドローンのプログラミングや制御)も担当している。PC向けのプロセッサ・チップセットメーカーとしてのイメージが強いIntelが、ドローンやそれを使ったライトショーに注力しているのはなぜなのだろうか。

フォトセッション 1日目(7月22日)のショーが終わった後、フォトセッションに応じるIntel ドローン・ライトショー担当ジェネラルマネージャーのナタリー・チェン(Natalie Cheung)氏(中央)と、ハウステンボスの澤田秀雄社長(右)、富田直美取締役CTO(左)
Intel Shooting Star 今回のショーで使われている「Intel Shooting Star」。日本上陸に当たって「技術基準適合証明等(技適など)」を取得し、全ての機体に表記シールが貼り付けられた

さまざまな作業をよりスマートに

 Intelがドローン事業に本腰を入れ始めたのは2016年。複数のドローン関連企業を買収し、自社でも「Intel Aero」というドローン開発キットを同年8月から販売している(参考記事)。

 同社がドローン事業に注力する理由は、「物事をよりスマートにできる可能性がある」(ドローン・ライトショー担当ジェネラルマネージャー ナタリー・チェン氏)からだ。従来から同社が培ってきたセンサー技術やCPU技術を生かすことはもちろんだが、仕事の手助けや社会の抱える課題解決の手段としてのドローンに、可能性を見いだしたのだという。

ライトショーが生まれたきっかけはCEOの「発言」

Shooting Starを手にするナタリー・チェン氏 Shooting Starを手にするナタリー・チェン氏

 Intelでは、ドローン事業において「ドローンの材料(Ingredients)」「ライトショー」「商用システム」「エコシステムのパートナー構築」の4点を重要視している。

 「ドローンの材料」は開発キットのことを指しており、先述のIntel Aeroがそれに当たる。「商用システム」としては、買収したドイツAscending Technologies(AscTec)のドローンをベースに開発した「Intel Falcon 8+」というV型オクトコプターと、同じく買収したドイツMAVinciの「MAVinci SIRIUS PRO」という固定翼ドローンがIntelの主力製品となっている。

Intelがドローン事業で重点を置く4要素 Intelがドローン事業で重点を置く4要素

 重点4項目の中で、異質とも思える「ライトショー」。事業化のルーツは、同社のブライアン・クルザニッチ(Brian Krzanich)CEOが雑談中に発した「100機のドローンを飛ばして、Intelロゴを作ってみたらどう見えるだろうか?」という問いかけにある。

 それを実際にやってみようと、後に買収することになるAscTecと共同で初代のエンターテインメントショー用ドローンを開発。2015年11月にドイツで開催したプライベートショーで「Drone 100」として初披露し、「無人飛行物体(UAV)を一番多く同時に飛ばした」記録を打ち立ててギネスブックに登録された。

 Drone 100では、音楽に乗せて100台のドローンを飛ばした。このイベントを通して、同社はドローンを使ったライトショーに事業としての可能性を見いだし、専門のチームを作って取り組むことにしたようだ。

ギネスブック登録 Drone 100はギネスブックに登録された

ドローンを使ったライトショーは新しい「物語」

 その後、IntelはDrone 100を米国やオーストラリアでも披露した。その後Intelはエンターテインメントショー用に特化したドローンとしてShooting Starを開発。2016年10月にドイツで同機を500台同時に飛行させる「Drone 500」にチャレンジし、自らギネスブックの記録を更新した。これ以降にIntelが手がけたドローンライトショーには、全てShooting Starが用いられている。

 チェン氏はドローンを使ったライトショー事業は「新しい物語を作り出すもの」であると語る。国・地域によっては、花火の打ち上げが禁止されていたり厳しく制限されていたりすることもある。そのような場所では、ライトショーが花火大会に代わる新たな「光のショー」になりうる。

 一方で、チェン氏は「花火大会は花火大会、ライトショーはライトショーという風に分けて考えるものはない」とも語る。日本のように花火大会が広く行われる地域では、花火大会とライトショーを組み合わせることで相乗効果が生まれると考えているのだ。今回のハウステンボスのライトショーでは、イベント初日(7月22日)と最終日限定ではあるが花火大会と組み合わせて開催している。筆者が初日に観察した限りでは、「異なるベクトル」の「光のショー」として花火大会の後にそのままライトショーを楽しむ観客は多かった。

開始直前 7月22日の花火大会開始直前のハウステンボスの一角。花火を見に来た人々の多くは、そのままドローンショーも楽しんだ

 そして、チェン氏は「夜空に3Dの絵を描くことができる」ライトショーは「新たな広告としての可能性もある」とも語った。Shooting Starに付いているライティングユニットは4色(赤・緑・青・白)のLEDを搭載しており、約40億色を表示できる。色鮮やかに、紙や画面といった「2D」では表現できない広告も実現可能であるということだ。

「HTB25」「Intel」 実際のショーでドローンが作った「HTB25(ハウステンボス25周年」ロゴ(写真=左)と「Intel」ロゴ(写真=右)。紙や画面では作り出せない広告表現もできることを示す好例だ
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