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2017年08月10日 07時00分 UPDATE

ITりてらしぃのすゝめ:「マイナンバーカード」がなかなか普及しない理由 (2/3)

[宮田健,ITmedia]

 先に書いたように、現時点ではマイナンバーのメリットは「行政側」にしかないと考えていいと思います。将来的に収入、支出の全てがマイナンバーによってひも付けば、自動的に「税金額」が算出できるので、確定申告(年末調整)の計算は不要になるはずです。

 クラウド会計ソフトを提供するマネーフォワードによると、デンマークでは国税局が企業や銀行、住宅ローン会社、年金機関などから直接情報を収集し、納税額を自動計算し、ポータルサイトにログインしてその金額を承認するだけで確定申告が終了するそうです。マイナンバーが目指すのはこの世界です(関連記事)。

 しかし、日本においてはまだそこまではできません。個人におけるマイナンバーのメリットはほぼゼロではあるのですが、“マイナンバーカード”にはわずかにメリットがあります。

マイナンバーカード 「マイナンバーカード」のメリット(総務省のWebサイトより)

 総務省のマイナンバーカード紹介サイトには、マイナンバーカードのメリットがいくつか例示されています。これによると、「個人番号の証明」は当たり前として、「コンビニでの各種証明書取得」「各種行政手続きのオンライン申請」などがメリットとしてあげられています。

 最近では、コンビニのマルチコピー機にマイナンバーカードをかざし、パスワードを入力することで、住民票などの書類が取得できるようになりました。また、確定申告をオンラインで行う「e-Tax」は、マイナンバーカードのICチップを使ってオンラインで個人証明し、登録するという仕組みです。

 もちろん、運転免許証やパスポートと同じように、本人確認のための証明書としても利用できます。クレジットカードなど本人限定受取の配送物を受け取る際の本人確認証明書にもなります。

マイナンバーカードに搭載されたチップ

 最近よく聞くのが、マイナンバーカードに搭載した「ICチップ」の活用について。これはマイナンバーとは全く別の空き領域を使い、各種サービスをマイナンバーカードを使って実現するというものです。

 マイナンバーそのものを本人確認の鍵として使うわけではないので、これもまた混乱を引き起こすことが多いです。つい最近も、総務省がマイナンバーカードを診察券の代わりに使うサービスを検討しているという報がありました。

 マイナンバーカードに搭載したICチップは、クレジットカードの磁気ストライプのように「誰でも読み取れる」というものではありません。その中には電子証明書を搭載していて、パスワードを利用し、より厳密な本人確認ができます。単なる文字列が記載されたカードではなく、想像以上にハイスペックな機能がマイナンバーカードには搭載されています。

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