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2017年08月22日 16時04分 UPDATE

米国横断皆既日食で動物たちの反応は? キリンは駆け回りフラミンゴはオロオロと

ただ皆既日食を見るのではなく、そのときの動物たちのリアクションが大勢の来園者により記録された。

[AP通信]

 キリンは落ち着きなく走り回り、うろたえたフラミンゴは右往左往、サイはただただ困惑していたようだ。

 皆既日食が全米を横断する8月21日(現地時間)、米テネシー州ナッシュビルのナッシュビル動物園では、空が暗くなる中での動物たちの行動を来園者が観察し、記録した。月が太陽の前に入り込むにつれ、園内ではさまざまな変化が観察された。

 唯一残念だったのは、7000人もの来園者で園内が騒がしくなり、動物やコオロギ、セミたちが圧倒されてしまったことだ。そのため、彼らの奇妙な行動が皆既日食によるものなのか、あるいはこの世紀の天文ショーを見るために来園した人たちによる影響なのかを、動物園の飼育係たちはまだ判断できずにいる。

 今回の皆既日食に向け、ナッシュビル動物園の他にも、全米各地でさまざまな科学実験が実施された。皆既日食が全米を横断する中、市民科学者やプロの科学者たちが写真や動画、データ、奇妙な体験などをネットに続々とアップ。とりわけ、黒い太陽の周りを取り巻く白い輝きには大きな注目が集まった。

 今回の皆既日食の観察には、地上の望遠鏡の他、人工衛星や宇宙飛行士、高高度気球など、さまざまな機器が動員された。

 この後、科学者らが観測データの解析を進める。

photo 8月21日、オレゴン州レッドモンドで撮影(AP Photo/Ted S. Warren)

 米国立太陽天文台(NSO)は「Citizen CATE」というプロジェクトを立ち上げ、一般人に望遠鏡とカメラを貸与。皆既日食がオレゴン州からサウスカロライナ州まで横断する間の記録を取れるよう、トレーニングを施した。

 「大成功だった」とプロジェクトを指揮した天文学者のマット・ペン氏は満足気だ。

 始点と終点となる東西両海岸の観測地点も含め、全70カ所の観測地点のうち、少なくとも50カ所では、空は晴れていたという。ペン氏は21日夜までにデータを70分間の動画にまとめたい考えだ。

 「私たちがまさに欲しいと思っていた科学的な画像が集まった」と同氏。

 ペン氏によれば、天文学者らは高速な太陽風が吹き出す理由を解明すべく、太陽の極域に存在する火柱を重点的に観測した。こうした太陽の上層大気はコロナと呼ばれ、天文学者の注目の的だ。太陽が月に完全に隠れる皆既日食の際には、観測がしやすくなる。

 ケンタッキー大学1年のオナー・S・ヘアさんは、ケンタッキー州アデアビルの小学校で皆既日食の観察会に監督者として参加した。

 「素晴らしい機会になった。多くのことを学んだ」とヘアさん。

 ナッシュビル動物園で人気を集めたのはキリンだ。中でも生後6カ月の“マジ”と3歳の“ナシャ”は大人気だった。

 「狂ったように駆け回っていた」と同園でボランティアをしているオハイオ州クリーブランド出身のネイト・ザテザロ氏は語る。

photo 日食を体験したキリンの反応は?(AP Photo/Seth Borenstein)

 皆既日食の間は、4頭のキリンが皆、走り回っていた。来園者が去った後の夕暮れ時に2頭の幼いキリンが走り回るのはよくあることだ。だが同園でボランティアをするスティーブン・ファウスト氏によれば、皆既日食で空が暗くなり始めると、「普段は父親然として、堂々と威厳のある態度」の父親“コンゴ”までもが走り出したという。

 動物園の飼育係はさらに、皆既食になる前に、オランウータンがこれまで上ったことのないような高い場所に上っていったと報告している。

 インディアナ州インディアナポリス在住のテレサ・モアヘッドさんは、皆既日食時の動物の行動を観察し、自然観察アプリ「iNaturalist」に記録すべく、この園を訪れた。

 モアヘッドさんはキリンとサイを観察。サイは少し歩き回ったあと、床についたようだという。

 「キリンたちが走り回っているのを見て驚いたが、何より彼ら自身が当惑している様子だった」とモアヘッドさんは語る。

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