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» 2017年09月07日 14時39分 公開

米百貨店Kohl'sがAmazonと提携 実店舗内にAmazonショップを開設へ

Amazonに食われてきたデパートが、長年のライバルと手を組む。その真意は?

[AP通信]

 オンライン販売大手の米Amazonは長らく、百貨店の業績低迷の原因とされてきた。だがここへきて、幾つかの百貨店がAmazonと手を組み始めている。

 大衆向け百貨店のKohl'sは9月6日、自社の百貨店のうち10店舗にAmazonショップを開設し、音声アシスタント搭載スピーカー「Amazon Echo」や「Fire」タブレットなどの製品を販売すると発表した。少し前の今年7月には、百貨店Searsと量販店Kmartの親会社であるSears Holdingsが自社ブランド「Kenmore」の白物家電の販売をAmazon.comで開始すると発表している。

photo Kohl's(AP Photo/Wilfredo Lee)

 今回の提携によって、Kohl'sは競合百貨店との差別化を図ることができ、ガジェット機器の購入を目当てに来店する客の増加も見込める。一方、Amazonはこの提携によって、より多くの消費者に自社ガジェットの実機を試してもらうことが可能となる。

 「両社にとって賢い動きだ。“敵はより近くに置け”というのが彼らの信条だ」とJeffriesのアナリストは語る。

 オンラインやディスカウントストアで買い物をする消費者が増える中、従来型の百貨店は苦戦を強いられている。Kohl'sの他、Macy'やDillard'sなどの百貨店はいずれも先月、直近の四半期決算での総売上高の減少を報告している。

 ただしオンラインショッピングが成長しているとはいえ、小売取引の多くは今なお物理的な店舗で行われている。シアトルに拠点を置くAmazon.comもこの市場を取りこぼすわけにはいかないということだろう。同社はこの2年間で11店舗のリアル書店をオープンした他、今年6月には自然食品小売り大手Whole Foodsの買収を発表。全米に460店以上あるWhole Foodsの店舗において、有機栽培のブドウやトウモロコシの隣りにAmazon Echoを陳列し、販売できるようにしている。

photo Amazon.com(AP Photo/Alan Diaz)

 Kohl'sはまず9月に、シカゴとロサンゼルスにある同社の百貨店に広さ1000平方フィート(約28坪)のAmazonショップをオープンする計画だという。両社はこの提携の金銭的条件は公表していない。これらの新設ショップにはAmazonの従業員が配置され、買い物客はAmazon経由で配管工や家政婦を手配することもできるようになるという。さらにAmazonのスタッフに自宅まで来てもらい、購入製品を設置してもらったり、スマートホーム製品の購入についてアドバイスをもらったりすることも可能となる。家電量販大手のBest Buyも最近、同様の顧客プログラムをスタートさせている。自社のスタッフを顧客の自宅に派遣し、さまざまな家電製品についてアドバイスを行うというものだ。

 Citiのアナリストは、Kohl'sが今後、荷物の受け取りや引き渡しなどAmazon向けのサービスを拡充すれば、人々がより頻繁にKohl'sの店舗に足を運ぶきっかけになるとの見方を示す。「この先、より広範な提携に発展していくだろう」とCitiのアナリストは語る。

 ウィスコンシン州メノモニーフォールズに拠点を置くKohl'sの株価は6日、5%上昇し、42ドル37セントで取引を終えた。

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