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» 2017年09月11日 08時15分 公開

「地震予知は不可能」でも……「大震法」は必要か? (1/4)

昭和53年に制定された大震法の見直しをめぐる議論が活発化している。地震の直前予知を前提に住民の事前避難などの対策を定めたものだが、現在の地震学の実力では予知は不可能との見方が大勢を占めるからだ。

[産経新聞]
産経新聞

 近い将来の発生が懸念される東海地震に備え、昭和53年に制定された大規模地震対策特別措置法(大震法)の見直しをめぐる議論が活発化している。地震の直前予知を前提に住民の事前避難などの対策を定めたものだが、現在の地震学の実力では予知は不可能との見方が大勢を占めるからだ。一方、大震法が地震防災の充実に果たしてきた役割も否定できない。存廃を含む今後の在り方について、静岡大の岩田孝仁教授と京都大の橋本学教授に聞いた。(小野晋史)

画像 京都大防災研究所の橋本学教授(左)と静岡大の岩田孝仁・防災総合センター長(小野晋史撮影)

警戒宣言の仕組み必要 岩田孝仁・静岡大教授

――大震法の存廃をどう考えるか

 「そのまま残すべきだ。地殻変動を観測しているひずみ計に異常が見られた場合に備え、住民の避難や交通規制などを伴う警戒宣言の仕組みはあった方がよい。今ある法律の枠組みをうまく使うことが大事だ」

――地震の予知は可能か

 「直前予知はかなり難しいと思う。科学的に見て、今のレベルでは不可能だろう。予知はできるという社会の誤解を解く努力が必要だ。それでも、例えば国の作業部会が想定しているように、南海トラフ地震の震源域で断層の半分だけが割れて地震が起きたり、一回り小さなマグニチュード(M)7級の地震が起きたりした場合、いずれもっと大きな地震が起きるとみて、備えることができる。特に前者のケースは、続けて大地震が起きた過去の実例があるので、社会は動きやすい」

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