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» 2017年10月23日 08時56分 公開

“死の水”にすむ謎の微生物 酸素も栄養もなし……生きる仕組みは全く不明 (1/3)

酸素やエネルギーを取り込む仕組みが全く分からない謎の微生物を日本の研究者が発見した。一体どうやって生き永らえているのか。解明できれば、太古の地球で生命が育まれた秘密が分かるかもしれない。

[産経新聞]
産経新聞

 生き物が呼吸をしたり、栄養を取り込みエネルギーを得たりして生きているのは常識だ。ところが、こうした仕組みが全く分からない謎の微生物を日本の女性研究者が発見した。一体どうやって生き永らえているのか。解明できれば、太古の地球で生命が育まれた秘密が分かるかもしれない。

強アルカリ性の泉で発見

 極上ワインの産地として知られる米カリフォルニア州ソノマ郡。その山中に「ザ・シダーズ」と呼ばれる小高い丘があり、乳白色の泉が湧き出ている。

画像 呼吸のための遺伝子を持たない微生物が発見された強アルカリ性の泉(中央の乳白色の部分)=米カリフォルニア州(海洋研究開発機構提供)
画像 呼吸のための遺伝子を持たない微生物(緑色に光らせた小さな点の部分)=海洋研究開発機構提供

 泉の水は極めて強いアルカリ性で、水素イオン指数(pH)は11以上。生物の呼吸に必要な酸素を含んでおらず、栄養分となる炭素や窒素、リンなどもほとんど含まない“死の水”だ。泉の周囲に草木はなく、岩肌が不気味に露出している。

 この水質は「蛇紋(じゃもん)岩化反応」と呼ばれる現象と関係がある。地球深部の岩石であるマントルを構成するかんらん岩が、水と反応すると、蛇のような模様がある「蛇紋岩」に変質し、水素などが生じる現象だ。

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