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» 2017年10月26日 16時11分 公開

一度変えた遺伝子を「アンドゥ」 革命的遺伝子編集技術で可逆的治療、実現へ (1/2)

「分子のハサミ」で遺伝子のRNAをカット&ペーストできるように。

[AP通信]

 研究者らは目下、高度な遺伝子編集技術の改良に取り組んでいる。最終目標は、患者のDNAを恒久的に変えずとも、さまざまな病気を治療できるようにすることだ。

 新たな技術の要となるのは、DNAの代わりにRNAを編集する点だ。RNAは、遺伝子の情報を運搬するメッセンジャーの役割を果たす物質である。

 「(DNAではなく)RNAを編集することで、可逆的な治療が可能となる。可逆性は、予期せぬ副作用が出た場合に非常に重要となる要素だ」と米ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)が共同運営するブロード研究所のフェン・チャン氏は語る。遺伝子編集研究の先駆者であるチャン氏の研究チームは10月25日、学術雑誌『Science』でこの新しい技術について発表した。

photo フェン・チャン氏(AP Photo/Susan Walsh)
photo フェン・チャン氏のホームページ(Image via Broad Institute)

 遺伝子編集技術「CRISPR」は生命科学研究に革命をもたらしている。CRISPRはいわば生物学上のカット&ペーストツールだ。生体細胞の遺伝子異常を特定し“分子のハサミ”を使って当該箇所を切断することで、異常遺伝子を削除したり、変異を修復したり、新しく交換したりできる。

 CRISPRは、農作物の品種改良やマラリア耐性を持つ蚊の開発の他、移植用臓器を動物の体内で作ったり、いずれは鎌状赤血球症や筋ジストロフィーといった遺伝病の治療に役立つことが期待されている。

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