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新「aibo」は気持ち悪い? キミは「不気味の谷」現象を知っているか明日から使えるITトリビア(2/2 ページ)

» 2017年11月02日 14時22分 公開
[村上万純ITmedia]
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“リアルすぎる”違和感

 「不気味の谷」とは、ロボットやCGで作られた人間を本物の人間に似せようとすると、ある段階で人が強い不快感を抱く現象のこと。1970年にロボット工学者の森政弘さんが提唱したもので、“実写にしか見えない”3DCG女子高生「Saya」などは「不気味の谷を完全に超えた」とネット上で話題になっていた。

さや 3DCG女子高生「Saya」
さや

 今回は、aiboが実物の犬に似せようとしたデザインに見えたため、「不気味の谷」と表現をする人が現れたようだ。特に目に対する言及が多い印象だ。とはいえ、aiboは瞳でさまざまな表情を作ったり、ロボットらしい関節や滑らかなボディーを動かしたりして、かわいらしい犬の動きを再現している部分も多い。

 実際に動画を見てみると、「尻尾を振る」「首をかしげる」「足の関節1つ1つを確かめながらゆっくりと動かす」「耳を何度も開閉させる」など、本物の子犬のようなかわいらしさが表現されている。aiboの写真で「不気味の谷」を感じた人も、実際に動いているaiboを見ると、その印象は変わるかもしれない。

これまでのアイボはどんな顔?

 今回のaiboは「リアルな犬っぽい」といわれているが、歴代aiboはさまざまなデザインで発売されてきた。

 AIBOと言えば、その名を世間に轟かせた初代モデル「ERS-110」(1999年6月)の姿を思い浮かべる人が多いはずだ。ロボットイラストで有名な空山基さんが原画デザインを担当し、銀色の四角いボディーに垂れ耳、顔の全面に黒いパネルを配置するなど“サイバードッグ”感がすごい。この見た目こそAIBOという強烈な印象だ。

アイボ 初代モデル「ERS-110」

 ロボットアニメ「マクロス」シリーズなどを手掛けたメカニックデザイナー河森正治さんが原画デザインした「ERS-220」(2001年11月)は、まるでマクロスに登場する戦闘機「ヴァルキリー」のようなスタイリッシュな見た目が特徴だ。

アイボ 「ERS-220」(ソニーより)
アイボ 河森正治さんの一部原画(ソニーより)

 一方で、「ラッテ&マカロン」として発売された「ERS-300」(01年9月)は、クマと犬を合体させたようなデフォルメ化されたキュートな顔が魅力的。

アイボ 「ERS-300」(ソニーより)

 「ソニー製ではない、ソニー生まれである」というキャッチコピーと共に誕生したロボットは、再び本物のペットのように家庭を和ませてくれそうだ。

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