ITmedia NEWS > 社会とIT >
ニュース
» 2017年11月06日 08時09分 公開

中国、次は“AI教師” 5兆円投入 世界一“AI国家”へ (5/5)

[産経新聞]
産経新聞
前のページへ 1|2|3|4|5       

 前述したように、中国では、国家戦略に位置付けた教育分野だけでなく、軍事や経済(労働力のコスト削減)といった分野でもAI化が猛スピードで進んでいます。

 6月29日付のSCMP(電子版)によると、昨年、中国政府は、来年までに150億ドル、日本円にして約1兆7000億円以上の規模を有するAI市場を創出すると発表。北京ではすでに全国の大学や研究機関に勤務する何百万人もの研究者がAIの研究に携わっているといいます。

 また中国のシンクタンク「Wuzhen Institute(ウーチェン研究所)によると、中国は、昨年、AI企業に総額26億ドル(約2900億円)を投資しており、この分野で世界第2位でした。ちなみに1位は米国で179億ドル(約2兆円)で大差を付けてはいるものの、米国は中国の追い上げに危機感を持っています。

 実際、7月27日付の英経済誌エコノミスト(電子版)によると、中国におけるAI関連の特許出願数は2010年から14年までの4年で約3倍に増えています。

 AIに関する研究課題のひとつ「機械学習」について研究する科学者でもある北京大学のFeng Jufu(フェン・ジュフ)教授はSCMPにこう述べています。

 「13億8000万人の人口を有する中国は、世界最大の(ネットの)利用者のデータベース貯蔵庫であり、機械学習における“パラダイス”である。AIは子供のようなもので、より多くの人が利用すれば、学び方もより早くなる。そしてより多く学べば、習熟度はより向上するのです」

 何と言っても数は力。データの母数が多ければ多いほどAIが賢くなるとすれば、やはり中国が優位に立つことができますね。

 この分野で米中に遅れを取っている日本。AIを教育や遠隔地医療などに役立てるための本格的な研究が待たれるところです。     (岡田敏一)

 【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず) 1988年入社。社会部、経済部、京都総局、ロサンゼルス支局長、東京文化部、編集企画室SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)担当を経て大阪文化部編集委員。ロック音楽とハリウッド映画の専門家。京都市在住。

前のページへ 1|2|3|4|5       

copyright (c) 2017 Sankei Digital All rights reserved.