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「私にもできる」から「声のコスプレ」まで ボカロキーボードの可能性ボーカロイドキーボード開発秘話インタビュー(2/4 ページ)

» 2017年11月18日 10時00分 公開
[村田朱梨ITmedia]

「俺、初音ミクになれる」

――「可能性」の話は尽きませんが、マジカルミライ2017などですでに弾いてみた方もいるんですよね

濱野:多くの方がまず「触ったら声が出る」ことに感動していましたね。これまで「出来上がったもの聞くだけ」だったVOCALOIDが、「自分が操作しても音が出る」のに驚いていたというか、恐る恐る触って「うわっ!!」となる人が多かったです。

――触るだけでなく、弾いてみた方はどうでしたか?

濱野:ちょっと鍵盤やっていた人とか専門的なことを知っている人だとすぐに弾けるようになっていましたね。とても楽しんでくれて、長い方だと20〜30分くらい弾いている人もいました。

梅津:毎日来られた方もいましたね。正直あそこまで盛り上がるとは想定しておらず、接客のキャパを超えて行列になっていましたが、皆さん慣れているのか、とても紳士的に並んでくれて助かりました。

 意外だったのは「分かりやすさ」でしょうか。当日来ていただいたコンパニオンさんも体験したお客さんもすぐ使い方を覚えてくれて、少し触っただけで操作が分かるくらい分かりやすく作ることができたんだとびっくりしました。この感覚を上手に伝えることができれば、もっとたくさんの人にボーカロイドキーボードを楽しんでもらえると思っています。

藤原:楽器をやったことがないお客さんでも、その場で「こんにちは」や「ありがとう」と入力して弾いてみせると「わー、しゃべったー!」と喜んでくれて面白かったですね。社外の外国人スタッフにも「ハロー」や「ハウアーユー」とカタカナで打って話し掛けてみたら「うわあああ、すげー!!」と(笑)

 歌だけでなく、単純に言葉を発するだけでも面白がってもらえるんだ、という発見がありました。最初から「しゃべるもの」としてボーカロイドキーボードを使ってもいいと思います。歌に限らず、コール&レスポンスをしたり、俳句や短歌、漫才なんかをさせてもいいんじゃないでしょうか。

梅津:中には「これは使える!」と言っているコスプレイヤーもいましたね。

――それは、ミクの格好でボーカロイドキーボードを弾けば「声まで再現した初音ミク」になれるという……?

梅津:そういうことです。「私、初音ミクになれる」「俺、初音ミクになれる!」みたいなね(笑)

濱野:いいですね(笑)

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