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» 2017年11月24日 07時15分 公開

ピラミッドや原子炉、火山も“透視” 素粒子観測の意外な使い道 (1/3)

名古屋大などの国際研究チームが、クフ王のピラミッド内部に未知の巨大空間を見つけたと発表した。大発見をもたらしたのは、上空から降り注ぐ素粒子の「ミュー粒子」だ。

[産経新聞]
産経新聞

 名古屋大などの国際研究チームが今月初旬、エジプトの首都カイロ近郊のギザにあるクフ王のピラミッド内部に未知の巨大空間を見つけたと発表した。世界的な大発見をもたらしたのは、上空から降り注ぐ素粒子の「ミュー粒子」だ。火山監視や原子炉の調査などにも役立っており、素粒子の観測という基礎科学の成果が思わぬ形で社会に貢献している。

画像 エジプトの首都カイロ近郊にあるクフ王のピラミッド内部のイメージ。中央の白い部分(矢印)で未知の空間の存在が分かった(研究チーム提供)

 ミュー粒子は、宇宙空間を高速で飛び交う陽子などの宇宙線が地球に到達し、大気と反応することで生まれる。さまざまな方向から1平方センチメートル当たり毎分1個のペースで降り注ぎ、私たちの体も通り抜けている。

 特徴は透過性の高さで、レントゲン撮影に使うエックス線をはるかに上回り、厚さ1キロの岩盤でも通り抜けることができる。ただ、すべてのミュー粒子が通過できるわけではない。一部のミュー粒子は途中で遮られ、その割合は通り抜けようとする物質の厚さや密度などに左右される。

 これを言い換えると、岩盤などを通り抜けてきたミュー粒子の数と飛んできた方向が分かれば、内部の物質や空洞の有無を推測できるということだ。

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