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» 2017年11月30日 08時22分 公開

「私には6つの人格がある」多重人格“和製ビリー・ミリガン”の法廷告白 交際女性を殺害したのは誰だ? (1/4)

「私には6つの人格がある」。殺人罪に問われた男は、被告人質問で、犯行時とは別の「自分」が事件の流れを“自白”した。検察側は「多重人格ではない」と真っ向から反論。本当に複数の人格が存在するのか、単なる演技なのか。難しい判断を迫られた裁判員の結論は――。

[産経新聞]
産経新聞

 「私には6つの人格がある」と主張し、法廷に立っている自分を「道徳的でない彼」と呼んだ。交際相手の女性を刺殺したとして殺人罪に問われた大阪市旭区の無職、隅田龍馬(りょうま)被告(27)。10〜11月に大阪地裁で開かれた裁判員裁判で、解離性同一性障害(多重人格)だと述べ、被告人質問では犯行時とは別の「自分」が事件の流れを“自白”した。弁護側は「現在と犯行時では人格が異なる」として心神喪失による無罪を主張し、検察側は「多重人格ではない」と真っ向から反論。精神科医2人による鑑定も多重人格か否かで割れた。本当に複数の人格が存在するのか、単なる演技なのか。難しい判断を迫られた裁判員の結論は――。

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別れ話のもつれから

 隅田被告は平成27年7月11日、大阪市中央区の当時の自宅マンションで、交際女性=当時(21)=の首などを包丁で多数回切りつけ、殺害したとして起訴された。

 公判資料などによると、2人の出会いは26年10月。女性が隅田被告の勤めていた大阪市内の飲食店で働き始めた。当時は互いに別の彼氏彼女がいて、特に隅田被告は約5年間同居していた婚約者がいた。しかし、隅田被告は次第に女性に好意を抱くようになり、出会って約2カ月の同年末には2人は恋愛関係となった。

 しばらく婚約者と女性との二股状態だった隅田被告。27年5月ごろに婚約者と別れて女性と同居を開始した。現場となったマンションには事件の約10日前に引っ越してきたばかりだった。

 だが、順調な交際と思っていた隅田被告に対し、女性は周囲に「束縛される。別れるつもり」などと漏らすようになっていた。

 そして事件当日。前日から外出していた女性は帰宅すると、隅田被告に別れを切り出した。2人の関係が終わったことを悟った隅田被告は、室内にあった包丁で女性の首を多数回切りつけた。

 こうした事実関係について、弁護側はおおむね争いがない。問題としたのは、事件当時の隅田被告は法廷の証言台に立つ男とは“別の隅田被告”だった−ということだった。

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