ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >
ニュース
» 2017年12月01日 08時27分 公開

テレビ市場「バラ色の十年」が暗転 リーマンで崩壊……「エリートは中国へ」 (1/4)

「テレビ市場はバラ色の十年戦争だ」――2003年、パナソニックの大坪元社長はこう話した。だがリーマン・ショックでその目算は狂い、泥沼の価格競争に陥った。

[産経新聞]
産経新聞

 「えっ、初任給で華為技術(ファーウェイ)ってこんなにもらえるの」

 ある大手電機メーカーに勤める入社3年目の技術者は、中国の通信機器大手、華為技術の日本法人が40万円の初任給で新卒者を募集しているニュースをみて驚きを隠せなかった。「この金額なら入りたかったなぁ。うちでももっと上がらないものか」

 就活情報サイトの「リクナビ2018」に、華為技術日本法人の新卒募集が掲載されたのは3月。理工系専攻の学生らを対象に「通信ネットワークエンジニア」「アルゴリズムエンジニア」など7職種を募集した。

 話題になったのはその厚遇ぶりだ。月給は学士卒で40万1000円、修士卒で43万円。厚生労働省の昨年の初任給調査によると、日本企業の大卒の平均初任給は20万3400円で、華為技術の提示額は約2倍の水準だ。ネット上では「時代は変わった。日本のエリートは中国をめざすよ」といった意見が目立つ。

 だが、華為技術が2倍の給与で日本の優秀な人材を刈り込みにやってきたとみるのは早計だ。華為技術日本法人は「業界の動向を踏まえ、待遇を決めている」と説明する。同社は今やスマートフォン販売で韓国サムスン電子、米アップルに次ぐ世界第3位。待遇は業界の世界大手として国際的な相場観を踏まえて決めただけで、日本国内の反応に戸惑いを隠さない。

 経済産業省のIT人材に関する各国比較調査によると、米国のIT人材の年収は日本の約2倍だ。電機大手は今年の春闘で4年連続の賃上げを決めたが、新卒でなくても技術者の給与は世界と日本で大きく差がつく。国内電機業界の給与が低迷しているのは、デフレが残した爪痕でもある。

■ ■ ■
画像 シャープ本社(堺市堺区)の外観

 大阪湾から播磨灘にかけてのベイエリアはかつて「パネルベイ」と呼ばれ、プラズマテレビや液晶テレビの巨大工場が集積していた。今やその面影はない。兵庫県尼崎市の湾岸地域の一角−。平成26年3月末に生産を停止したパナソニックのプラズマテレビやパネルの主力工場は既に解体された。跡地では物流開発会社が来年1月に日本最大の物流施設を着工する。

       1|2|3|4 次のページへ

copyright (c) 2017 Sankei Digital All rights reserved.