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» 2017年12月25日 08時03分 公開

分離→高度下げ分離……H2A初挑戦に成功 種子島宇宙センター「感無量」「気抜かずにやる」 (1/3)

気候変動観測衛星「しきさい」などを搭載したH2Aロケットの打ち上げが成功。逆噴射など複雑な動きを制御し、経路が全く異なる2基の衛星を目的の軌道に届けることにも成功した。

[産経新聞]
産経新聞

 地球温暖化の高精度予測を目指す気候変動観測衛星「しきさい」などを搭載したH2Aロケットの打ち上げが成功した23日、鹿児島県の種子島宇宙センターでは関係者が会見し、喜びや今後の課題などを語った。

画像 観測衛星「しきさい」と試験衛星「つばめ」を載せ、上昇するH2Aロケット37号機=23日午前10時26分、鹿児島県の種子島宇宙センター

難しい超低高度の「つばめ」

 しきさいは温暖化予測を困難にしている大気中のちりや雲、地上の植生の観測を得意とする衛星だ。統括する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の杢野正明プロジェクトマネージャは「無事に軌道に投入されて感無量。観測データで気候変動の監視や予測に貢献していきたい」と語った。

画像 気候変動観測衛星「しきさい」などを搭載したH2Aロケット37号機の打ち上げ成功を受け、会見する関係者=23日、鹿児島県南種子町(草下健夫撮影)

 衛星には設計上の寿命があり、しきさいは5年だ。環境問題に貢献する衛星は将来も後継機を打ち上げ、観測の継続を求める声が研究者らの間で根強い。文部科学省の戸谷一夫事務次官は「地球観測だけでなく産業でも利用できる役割を開拓し、多くの人が支えて幅広く利用されることで、シリーズ化することが考えられる」と述べた。

 今回は高度200〜300キロの超低高度の飛行を目指す試験衛星「つばめ」の軌道投入にも成功。超低高度では大気の抵抗があり衛星の飛行には不向きだが、つばめはイオンエンジンを噴射して軌道を保つ。実用化すれば、低コストかつ高解像度で地球を観測できると期待される。

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