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» 2018年01月09日 07時21分 公開

電波オークション導入、残った火種 総務省が陥った2つの“誤算” (1/4)

電波制度改革をめぐり、総務省が有識者会議で議論をスタートさせた。「電波オークション」導入は「検討継続」のままだが、制度設計の行方によっては議論が再燃する可能性もある。

[産経新聞]
産経新聞

 安倍晋三首相(63)が掲げる成長戦略に反映する電波制度改革をめぐり、総務省が昨年12月25日の有識者会議で議論をスタートさせた。事業者への電波の割り当て方法や電波利用料の算出方法を見直し、新規参入を促す。楽天が携帯電話事業者への参入を正式に発表したことで改革の機運は高まりつつあるようにみえる。最大の焦点だった電波の利用権を競りにかける電波オークション導入は「検討継続」となったままだが、制度設計の行方によっては議論が再燃する可能性もある。

画像 電波オークションの導入をめぐっては菅義偉官房長官(右)らの積極派と、難色を示す既存の民間事業者らとの対立が芽生え始めている。左は野田聖子総務相=平成29年11月10日、首相官邸(斎藤良雄撮影)

交錯した積極論と慎重・反対論

 野田聖子総務相(57)は昨年12月26日の閣議後の記者会見で、有識者会議における議論開始について「モバイル市場は大手3社のシェアが9割で寡占状態になっている。利用者が安くてよいサービスを手に入れられるモバイル市場を作っていけるようにしたい」と述べた。野田氏は今年春ごろまでには議論に関する一定の結果を取りまとめる方針も示した。

 現在、総務省は放送局や通信会社に電波を割り当てる場合、事業内容や技術力を審査して決める「比較審査方式」をとっている。総務省は改革案について、新たに電波利用料の提示を求め、どれだけ高い金額を提示しているかを、割当先を決める際の審査基準に加える「総合評価方式」を導入することを検討している。

 規制改革推進会議の議論では、価格の競り上げで割り当てを決める電波オークション導入について、積極論を展開する会議のメンバーと慎重論や反対論を唱える総務省、通信や放送会社との間で見解が対立し、昨年11月29日に出した答申は「引き続き検討を継続する」との表現に落ち着いた。価格競争の要素を盛り込んだ総合評価方式は、競争入札による電波オークションの積極論と慎重・反対論の“折衷案”ともいえる。

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