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» 2018年01月16日 07時18分 公開

「チャレンジ」の意図とは……“戦犯”といわれた東芝・西田氏 生前、何を語ったか (1/5)

カリスマ経営者か、「戦犯」か。東芝で社長や会長を歴任し、昨年12月に亡くなった西田厚聡氏は、毀誉褒貶相半ばする人物だった。西田氏は生前、2時間近くに及ぶ産経新聞の単独取材に応じ、粉飾の認識を否定していた。

[産経新聞]
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 カリスマ経営者か、「戦犯」か。電機の名門、東芝で社長や会長を歴任し、平成29年12月8日に73歳で亡くなった西田厚聡(あつとし)氏は毀誉褒貶(きよほうへん)、相半ばする人物だった。米原発会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の買収を手がける一方、そのメーカーが巨額損失を抱えて経営破綻し、経営危機を招く要因にもなったからだ。東芝崩壊の序章は、西田氏が牽引(けんいん)してきたパソコン事業での不正会計問題。「チャレンジ」と称して部下に無理な収益改善を要求し、西田氏ら歴代3社長が主導して粉飾した疑いが指摘されていた。西田氏は生前、2時間近くに及ぶ産経新聞の単独取材に応じ、粉飾の認識を否定していた。「戦犯」といわれた元経営者は当時、何を思ったのか。(今仲信博、大竹直樹)

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画像 東芝で社長や会長を務めた西田厚聡氏

「監視委は幼稚」

 「東芝のパソコン事業は僕がゼロからやってきているんだ」。28年11月、自宅のある横浜市内の中華料理店で取材に応じた西田氏。ノートパソコンを世界トップシェアに導き、「パソコンの西田」の異名をとっただけに、パソコン事業への思いの強さが伝わってきた。

 不正会計問題では、損失の先送りなどにより、東芝が21〜26年に計2248億円の利益を水増しされていたとみられていた。「チャレンジ」と称した過大な収益目標の達成を求める経営トップの圧力が背景にあったとされる。27年12月には、金融庁が過去最高となる約73億円の課徴金納付を命令した。

 “市場の番人”として証券市場の不正を取り締まる証券取引等監視委員会は、西田氏ら歴代3社長を任意で聴取した。

 西田氏は「あまりに幼稚な調べだった。5時間も話して、ほんの少ししか調書を書いていない。文章もめちゃくちゃで、僕が『添削してやろうか』と言ったら、『やめてください』と言われた」と振り返った。

「チャレンジ」50億円

 監視委は約1年にわたる調査をほぼ終え、28年12月に歴代3社長を刑事訴追すべきだと結論付けていた。

 西田氏は「不勉強なのに、僕らを刑事告発しようなんてとんでもない話だ」と批判。「カカカカ」と一笑に付した。

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