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» 2018年01月16日 15時53分 公開

買い物客の足取りを追跡する床センサー 小売店舗での導入が拡大 (1/2)

歩行パターンを読み取るセンサーを開発している新興企業がある。

[AP通信]

 次は人々の足元がデータ収集の場となるようだ。

 オンラインでのクリックは小売業者に対し、消費者行動に関する貴重な洞察を与えてくれる。では人々の足取りからは、小売業者は何を学ぶことができるのだろうか。米ウィスコンシン州ミルウォーキーのスタートアップ企業Scanalyticsは人々の動きを追跡する床センサーを開発し、さまざまな企業がこの問いへ答えを見つける手助けをしている。

 Scanalyticsの床センサーは、オフィスビルでエネルギー費を削減したり、老人ホームで誰かが倒れたときの発見を早めたりするのにも活用できる。ただし今のところ、Scanalyticsの顧客の大半を占めているのは小売業者だという。従来型の小売業者は、消費者の行動をもっとよく理解し、オンライン小売大手のAmazonに追い付こうと躍起であり、床センサーの導入はそのための取り組みの一環だ。

 「実店舗はこれまで不利な立場に置かれてきた。消費者がどこにやってきて、何をしているかや、どの棚の売れ行きが悪いか、どの通路への客足が少ないかといったことを詳細に把握する術がないからだ」。Iterate.aiの共同創業者ブライアン・サチアナタン氏はそう指摘する。Iterate.aiは、世界中のスタートアップ企業のテクノロジーを企業が発見しテストできるよう支援しているコロラド州デンバーの小規模企業だ。

 だがここ数年は、そうした実店舗も以前より簡単に顧客を追跡できるようになっている。今では小売業者は、一番手っ取り早いところではWi-Fiを使って、買い物客が店舗のインターネットサイトに接続している間のデータを追跡できる。1つ難点なのは、買い物客が皆ログオンするわけではないので、サンプルサイズがどうしても小さいことだ。買い物客と特定の商品との距離を把握できない、という問題もある。

 サングラス専門店Sunglass Hutや香水メーカーJo Maloneはレーザーセンサーとモーションセンサーを導入し、買い物客が商品を手に取ったにかかわらず購入に至らなかった場合には、インタラクティブディスプレイに類似商品を表示し、レコメンドできるようにしている。カナダのトロントのVendlyticsやサンフランシスコのPrismなどの企業は人工知能(AI)とビデオカメラを組み合わせ、客の身体の動きを分析できるようにしている。こうした技術を活用すれば、小売店は店内のデジタルサイネージや買い物客のスマートフォン画面を通じて、その場でカスタマイズしたクーポンをリアルタイムで提供できる、とIterate.aiのジョン・ノードマークCEOは語る。

 「Scanalyticsが開発しているような床センサーが小売業者にとって本当に有用なものとなるには、顧客にクーポンを送信するなど、さまざまなサービスと連動させる必要があるだろう」とノードマーク氏は語る。

photo 床センサーを抱えるスカンリンCEO(AP Photo/Ivan Moreno)

 Scanalyticsの共同創業者でCEOのジョー・スカンリン氏によれば、同社の床センサーにはまさにそうした狙いがあるという。例えば同社の床センサーは各買い物客に固有の歩行圧力を読み取り、その人物がデジタルサイネージへと向かう道筋を追跡し、デジタルサイネージの前にどの程度立ち止まっているかを計測できる。こうしたデータを蓄積していくことで、床センサーはいずれ、クーポンを提供したり、客が興味を失わないうちにディスプレイの内容を変更したりすべきベストなタイミングを小売業者に教えることができるようになる。

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