2018年3月期に過去最高益を見込めるまでに復活したソニーだが、長引く不振で色あせたブランドの再生など課題も残る。次期社長の吉田憲一郎副社長はソニーの“完全復活”を成し遂げられるか−。
「業績は回復したが、事業環境が目まぐるしく変わっており、新たな挑戦が必要だ」。平井一夫社長は2日の記者会見でこう述べた。
平井氏は12年3月期に4期連続の最終赤字となった直後に社長に就任し、テレビなど競争の激しい分野で量を追わずに高級品に絞る一方、ゲームや半導体など得意分野に集中する構造改革に奔走した。改革は徐々に奏功し、さまざまな事業でバランス良く稼げる体質が整った。
同日に発表した18年3月期連結決算では、業績予想を上方修正した。本業のもうけを示す営業利益は従来見込みよりも900億円多い7200億円とした。最終利益も1000億円多い4800億円に引き上げた。いずれも過去最高となる。
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