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» 2018年02月08日 07時32分 公開

ヤフーの次期社長は「Y」と「S」の“呪縛”を突破できるか (1/3)

ヤフーが4月から新体制に。宮坂社長が後任に指名した川辺副社長は「『ヤフーは常に新しいものを最初に体験させてくれる会社だよね』といわれるようになりたい」と決意を示したが……。

[産経新聞]
産経新聞

 日本のインターネットの誕生当初から、ポータル(玄関)サイトの代表として地位を築いてきたヤフーが、4月から新体制で23年目を迎えることになった。宮坂学社長(50)はパソコンでの利用が主だったヤフーをスマートフォンで利用しやすいようにするスマホシフトに成功した。しかし、社長交代の記者会見でも認めていた通り、新たなサービスを生み出せないことに苦しんだ6年間だった。宮坂氏が後任社長に指名した川辺健太郎副社長(43)は「『ヤフーは常に新しいものを最初に体験させてくれる会社だよね』といわれるようになりたい」と決意を示したが、そのためには、宮坂氏が川辺氏に期待を込めた「突破力」がカギとなりそうだ。筆者は、突破しなければならないのは「『Y』と『S』の“呪縛”」だと推測している。

画像 ヤフー次期社長への就任が決まり、記者会見する川辺健太郎副社長(右)=1月24日、東京都港区

 「新しいサービスを全く生んでいない。これまでのサービスという資産だけで食いつないでいる」

 ヤフーを退職した複数の元社員から幾度となく聞いた言葉だ。ヤフーの提供していたブロードバンドサービスの会員となって以来、20年近くヤフーのプレミアム会員だった筆者の印象も同じだ。スマホシフトによって、ショッピングやオークションのアプリの利用しやすさは改善されたが、改悪されたサービスもあった。また、一つのアプリをインストールすると、他のアプリの広告がスマホにたびたび通知されるなど、ヤフーのスマホシフトの印象は必ずしもいいものではなかった。

 スマホシフトに取り組んだ元社員が「通知を増やせとはよく上から言われていた」と話すのを聞いたときは苦笑するしかなかった。

 ある意味で手堅いこれらの事業展開により、平成29年3月期連結決算で20期連続の増収を達成するなど、宮坂氏は業績の安定に努めてきたといえる。業績の安定に努めるのは、時価総額が3兆円を超える大企業の社長としては当然のことだ。

 ただ、市場も安定路線のヤフーに対しては不満だったようで、新規事業の開拓が進まないヤフーの時価総額は15年前からほぼ同じ水準で推移している。

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