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» 2018年02月08日 07時36分 公開

価格高騰「面白いように増えた……」暗転 コインチェック事件、墜ちた仮想通貨の寵児 (1/4)

コインチェックは立ち上げ以来、顧客を急速に増やし業容を拡大。“時代の寵児”だったが、仮想通貨大量流出事件でそれが一転した。

[産経新聞]
産経新聞

 《現在、NEM(ネム)の入金について制限をさせていただいております》

 1月26日の昼ごろ、仮想通貨取引所大手コインチェック(東京)のツイッターを見た東京都渋谷区の大学生、高沢滉(21)はすぐにスマートフォンで自分のウォレット(口座)を確認した。

 「やばい」。ウォレットには日本円に換算して5万円分の仮想通貨ネムに加え、ビットコインなどの他の仮想通貨や日本円など計50万〜60万円分の資産が置かれていた。ネムは諦めるにしても、他の資産は移しておいた方がいい。送金を試みたが「手続き中」と表示されるだけ。ネムだけでなく、すべての通貨が動かせない状態になっていた。

 約580億円相当のネムがコインチェックから流出した問題。保有者は約26万人に及ぶが、コインチェックは他の通貨の送金や出金も凍結している。

 高沢の怒りは、徐々に不安に変わる。「コインチェックが破産したら、すべて戻ってこないのでは……」

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 埼玉県の40代の会社員、田代健太郎=仮名=も1千万円分のネムを含む1600万円の資産が引き出せなくなった。

 1年半ほど前、勤め先の社長のもうけ話を聞き、遊び半分で始めた。扱える通貨の豊富さと、サイトの使いやすさから取引所はコインチェックを選んだ。100万円の元手は「面白いように増えた」。追加投資した500万円を含め、昨年末時点で資産は3千万円に膨らんだ。そんな直後に起きた流出問題。「とにかく早く現金を出金させてほしい」と訴える。

 仮想通貨は価格変動の激しさが特徴だ。例えばビットコインは昨年1月には1ビットコインが10万円程度だったが、年末には230万円の値を付けた。ネムも昨年1月は0・4円だったが1年で200円を超えた。初期に購入した人の中には含み益が1億円を超え「億り人」と呼ばれる長者もいる。ただ、今回の問題を受け、足元ではビットコインが88万円程度、ネムが58円前後と下落している。

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