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» 2018年02月15日 07時11分 公開

咲かないラン 40年近く別種と勘違い 光合成やめた変わり種 (1/3)

ラン科の植物「クロムヨウラン」は、花を咲かせると紹介されてきたが、実はつぼみをつけるだけで開花はしないことを神戸大などの研究チームが突き止めた。光合成をやめたことと関係があるらしい。

[産経新聞]
産経新聞

 植物の最大の特徴は一般的に「葉緑素を持ち光合成を行うこと」だ。だが、中には進化の過程で光合成をやめてしまう変わった種もある。その一つであるラン科の植物「クロムヨウラン」は、図鑑などでかれんな花を咲かせると紹介されてきたが、実はつぼみをつけるだけで開花はしないことを神戸大などの研究チームが突き止めた。光合成をやめたことと関係があるらしい。花が開くのは近縁の別種で、40年近くも勘違いされていたという。

キノコやカビに寄生

 クロムヨウランは1931年、植物学者の本田正次氏が和歌山県岩田村(現・上富田町)で発見した。葉緑素が退化しており光合成は行わない。日照の少ない森林の地表に生え、高さは約15〜30センチ。キノコやカビに寄生して栄養を得る菌従属栄養植物の一種だ。近年の著名な植物図鑑には「日本の関東以南に分布し、直径約2・5センチの花が咲く」などと記され、開花するのが常識とされていた。

画像 40年近く、クロムヨウランだと勘違いされていた「トサノクロムヨウラン」(山下大明氏撮影)
画像 「本物」のクロムヨウラン。つぼみはできるが開花しない(福永裕一氏撮影)

 だが、研究チームが詳しく調べたところ、宮崎県や高知県など限られた地域のクロムヨウランは、長さ約1・2センチ、直径約0・4センチの堅いつぼみが一度も開くことなく落ち、その後に実ができることが分かった。咲くクロムヨウランと咲かないクロムヨウラン。どうして違いが生じているのかを調べるため、研究チームは発見された和歌山県上富田町で改めて現地調査を行った。

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