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» 2018年02月27日 07時11分 公開

「ドクターカー」導入にクラウドファンディング 成育医療センター、国立なのに「寄付」に頼ったワケ (1/3)

重症の子供を搬送する高規格の「ドクターカー」を導入したいと、国立成育医療研究センターがクラウドファンディングを始めた。国立の病院が自施設の機材拡充に民間の資金を募るのはなぜか。そこにはクラウドファンディングならではの「感情に訴えかける方法」が活かされていた。

[産経新聞]
産経新聞

 重症の子供を搬送する高規格の「ドクターカー」を導入したいと、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)がインターネットで広く資金を集める「クラウドファンディング」を始めた。3月9日までに目標額1500万円の達成を目指す。しかし、国立の病院が自施設の機材拡充に民間の資金を募るのはなぜか。そこにはクラウドファンディングならではの「感情に訴えかける方法」が活かされていた。

画像 国立成育医療研究センターが運用する現在のドクターカー。患者のベッド脇に1人分のスペースしかないため、大型のドクターカー導入に向け資金集めを始めている=東京都世田谷区
画像 ドクターカーに載せるモニターや可動式ベッドなどの医療資材。すぐに運び込めるようまとめて準備してある=東京都世田谷区の国立成育医療研究センター

増える「ドクターカー」の利用

 難病や希少疾患など多くの子供の治療に当たる国立成育医療研究センターには小児救命救急センターがあり、365日24時間、意識障害など緊急で治療が必要な子供を受け入れている。中には人工心肺装置を装着したまま運ぶ必要がある子供もおり、搬送にはそうした装置を使用できるドクターカーが使われる。

 近年は全国の医療機関からドクターカーで転院する例も増えており、平成28年には487人が転院のため搬送された。このうち94人は、複数の医師と看護師からなる成育医療研究センターの「専門搬送チーム」が付き添った。

 ただ、5年ほど前から使われている現在のドクターカーは、子供をベッドに寝かせると1人分のスペースしか空きがない。重症患者には複数の医療者が両側から治療する必要があり、同センター集中治療科の中川聡医長は「大型機器も入れやすい、より大型で高規格のドクターカーが必要だ」と語る。

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