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» 2018年02月28日 07時29分 公開

凍死の熱帯魚が大量漂着、サンゴは白化……あまりの寒さが引き起こす海の異変 (1/3)

日本列島を襲った寒波で、和歌山県沿岸の海に異変が起きている。海水温が著しく低下。熱帯魚が凍死し、海岸に大量に漂着する事態が相次ぐとともに、サンゴの白化も引き起こしている。

[産経新聞]
産経新聞

 日本列島を襲った寒波で、和歌山県沿岸の海に異変が起きている。本来温暖な同県白浜町臨海の北浜海岸では海水温が著しく低下、1月下旬から熱帯魚が凍死し、海岸に大量に漂着する事態が相次ぐとともに、サンゴの白化も引き起こしている。この“異常事態”は寒波に加え、暖流の黒潮が紀伊半島から遠ざかる12年ぶりの「黒潮大蛇行」が重なったためといわれ、専門家は生態系全般への影響を危惧している。

画像 凍死して北浜海岸に漂着した熱帯魚など(久保田准教授提供)
画像 北浜海岸に漂着した熱帯魚などさまざまな魚類(久保田准教授提供)

熱帯魚の凍死

 「海岸に熱帯魚が大量に打ち上げられている」。1月下旬、同町にある京都大学瀬戸臨海実験所の久保田信准教授(65)は、海岸の異変に気付いた。実験所からすぐ近くの北浜海岸でほぼ毎日流れ着いた魚介類の調査をしているが、20日頃から凍死した熱帯魚が海岸に漂着するようになり、28日には8種18匹、29日には15種31匹、2月7日には30種202匹を数えた。

 その後も漂着する熱帯魚は後を絶たず、2月20日までに60種以上、900匹以上を確認したという。

 海岸には一般の魚も打ち上げられているが、熱帯魚の多さが目立ち、中でも毎日のように漂着しているハナキンチャクフグはすでに約100匹に達し、このペースで凍死が続くと、付近一帯で全滅の恐れもあるという。

 久保田准教授によると、同海岸には平成23年1〜2月にも熱帯魚81種871匹が漂着。今回の大量漂着はそれに匹敵する勢いだといい、久保田准教授は「ここまで大量死が続くと、今後白浜の海では熱帯魚が見られなくなってしまうかもしれない」と危惧する。

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