クラビノーバで変わったのは私だけではなく、家族もだった。
私の妻は幼少期にピアノを習っていたのだが、ピアノが家に来ると知ってもあまりうれしそうではなかった。妻いわく「ピアノには全くいい思い出がない。先生が厳しく、怒鳴ってピアノを教えたので、ピアノを見るとその頃を思い出す」という。
わが家には間もなく1歳になる娘がいて、個人的には何か楽器を楽しんでもらいたいと思っていたのだが、確かに幼少期の習い事は「つらい思い出」になってしまうかもしれない。クラビノーバをわが家に置いてもいいのだろうか、という不安も湧いてきた。
しかし、いざ届いてみると状況は一変。iPadとつながるクラビノーバはピアノ経験者から見ても新しいようで、機能の数々に驚きつつ、妻も見よう見まねで触るように。楽曲リストの中に大好きな井上陽水の「少年時代」を見つけると、「右手のみ練習」を設定し、ストリームライツ機能を使って、私よりもずっとスムーズにピアノを弾きはじめた。
経験者の上達はあっという間で、気が付くとわが家には「少年時代」が流れるようになっていた。クラビノーバに向かう妻は、過去のつらい思い出を気にすることなく、素直に音楽を楽しんでいるように見える。
彼女に必要だったのは、そしていずれ「ピアノを習わせたい」と思っている娘に必要なのは、「楽しい」と思える形でピアノに触れること、それから「家族が楽しそうにピアノを弾いている姿」なのかもしれない。
これまで「ピアノのある生活」を想像したことはなかったが、実際に家に置いてみると空いた時間にポロロンと弾いてみるようになる。最新の曲も、オンラインで楽曲や楽譜を購入すればすぐにクラビノーバで弾いてみることができるため、やってみたいことがどんどん増えていく。
まだ「ピアノを弾ける」と大声でいえるレベルではないし、ピアノのペダルが3つある理由も分からない。それでも、「音を楽しむ」ことはできる。もしかしたら、これは今後10年、20年続く新しい趣味になるかもしれないとさえ思い始めている。
「あなたみたいな、楽器やったことのないおじさん世代に触ってもらいたい」と言われた理由が、今なら分かる。新しいことへチャレンジするのに、遅すぎることはないのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:ヤマハ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2018年3月31日