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» 2018年03月01日 13時55分 公開

声で買い物「一強」のAmazonに、Adobeは対抗できるか

企業が顧客向けにシンプルな音声インタフェースを作成できるよう支援するツールをAdobeが発表した。

[AP通信]

 世界がパーソナルコンピュータからスマートフォンへと移行したとき、Webサイトは従来よりも小さな画面と低速な接続に合わせてスリムダウンする必要に迫られた。そして最近は、音声ベースのサービスへの移行が進む中、企業は再び、消費者に情報を提示する方法の見直しを迫られており、そうした企業による取り組みを支援する新たな動きも出始めている。

 ソフトウェア企業のAdobeは2月27日、航空会社や小売業者などの企業が顧客向けにシンプルな音声インタフェースを作成できるよう支援する、クラウドベースの新しいツールセットを発表した。旅行者や買い物客向けのサービスを音声ベースで提供するのは、簡単な作業ではない。音声ベースのデジタルアシスタントでは、何十種類ものフライト情報や何百種類もの製品を列挙するわけにはいかないからだ。

photo Adobe Systems(AP Photo/Paul Sakuma)

 つまり企業は、多数の選択肢の中から人々が最も気に入りそうなフライトや製品を絞り込む方法を確立しなければならない。これは本質的に極めて難しい取り組みだ。

 Adobeの発表は、スペインのバルセロナで開催中のモバイル見本市「Mobile World Congress 2018」に合わせて行われた。Adobeが発表した技術はまだ新しく、パートナー企業との連携を披露できる段階にはない。だが同社の発表は、今や音声アシスタントが消費者にリーチするための重要なチャネルとなりつつあることを示している。

 Amazonの音声ショッピングでは既に、おすすめ商品が1つか2つに絞られるようになっており、購入手順も非常に簡単だ。これができるのは、音声ショッピングを利用する顧客について、Amazonが既に支払いと配送先に関する情報を持っているからだ。だが小規模な事業者には、ここまでのコンピューティングリソースや専門知識はない。Adobeなどの企業が参入しようとしているのは、そうした市場セグメントだ。

 調査会社Creative Strategiesのアナリスト、カロリナ・ミラネージ氏によれば、音声機能を活用して顧客へのリーチを広げようという企業を支援するためのサービスは、同氏の知る限り、Adobeが発表したもの以外にはまだない。

 実際のところ、便利な音声サービスを提供するためには、顧客の要望を的確に予測することが重要だ。例えば旅行サイトであれば、検索対象を直行便に絞り込むといったことが可能だが、音声サービスで同じことをしようとすると手間がかかる。Adobeの新しいツールを使えば、こうした選択肢を自動的に絞り込むことが可能だという。例えばユナイテッド航空でマイレージを貯め、早朝のフライトを好む顧客に対しては、そうした条件に見合うフライト情報のみを提示するといった具合だ。

 Adobeの新しい音声サービスは、Amazonだけでなく他の全ての主要な音声アシスタントに対応する。複数のソースからデータを集めて包括的なユーザープロファイルを作成するという手法は取らずに、分析には、ユーザーが実際に買い物中の企業が提供するデータのみを使用する。

photo Amazon Echo Dot(AP Photo/Elaine Thompson)

 この方法では、パーソナライゼーションの精度はAdobeが本来提供し得るレベルよりも低くなる。だがAdobeは、消費者はまだそうした詳細なユーザープロファイリングを抵抗なく受け入れる態勢にはない、との考えだ。

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