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» 2018年03月06日 17時08分 公開

LyftやUberが患者送迎サービスに本腰 その概要と課題 (1/2)

米国には移動手段がないために治療を受けられない人が年間700万人以上いるという。

[AP通信]

 配車サービスの米LyftとUberは、低所得者や高齢者が抱える、医療に関するある大きな問題の解消に取り組んでいる。その問題とは、病院までの足の確保だ。

 ライドシェアの大手2社は配車事業を医療分野に拡大し、全米各地の患者を対象に、救急以外の通院時の送迎サービスの提供に乗り出している。ターゲットとなる市場の規模は巨大だ。

 医療経済学者のポール・ヒューズ・クロムウィック氏によれば、米国では毎年700万人以上の人たちが、移動手段がないせいで治療を受けられずにいる。

 医療保険会社と医療機関は長年この問題の解消に取り組んでおり、担当者らは、LyftとUberの参入は大いに助けになると期待を示す。ただし医療へのアクセスを向上するためには、送迎サービスの提供だけでは不十分だという。

 本稿では、こうした患者送迎サービスの概要と課題を確認する。まずLyftとUberは具体的にどのようなサービスを提供しているのだろうか。

 Lyftは3月5日、 医療IT企業のAllscriptsと提携し、診療所などの医療機関への患者送迎サービスの事業規模を拡大すると発表した。Lyftは既に保険会社や公的医療保険制度などと提携し、毎年何百万人もの通院患者に送迎サービスを提供している。

photo Lyftのロゴが貼られた車(AP Photo/Gene J. Puskar)

 Uberは3月1日、同社がサービスを展開する米国の各エリアにおいて、医療機関への送迎車の配車サービスを提供すると発表した。2017年夏から試験的に運用してきたサービスの正式な始動となる。

photo Uberの医療機関向け送迎サービス(Image via Uber)

 両社とも、都市部と人口の少ない地域の両方でサービスを提供する方針だ。送迎費用は、患者本人ではなく医療機関や保険会社が負担する。患者はスマートフォンやアプリがなくても、このサービスを利用することが可能だ。

 両社が解消を目指しているのは、保険会社と医療機関にとって長年の課題となってきた問題だ。州と連邦政府が共同で費用を負担している、低所得者や身体障害者向けの公的医療保険制度「Medicaid(メディケイド)」の場合、多くの州で通院時の交通費が給付対象となっている。

 メディケイド専門の保険会社Molina Healthcareは約25年間前から、病院への交通手段の提供に取り組んでいる。現在はバス乗車券の配布に加え、輸送仲介業者との連携により、相乗りの送迎サービスを提供している。

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