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» 2018年03月08日 15時55分 公開

欧州で時計が遅れるトラブル 背景にはセルビアとコソボの政治的問題 (2/2)

[AP通信]
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 ENTSO-Eは目下、技術的な解決策に取り組んでおり、数週間で事態を正常化できる見通しだという。ただしENTSO-Eは欧州当局と各国政府に対し、この問題の中心にある政治的問題を解決するよう促している。

photo (Image via ENTSO-E)

 「技術だけで対処できる問題ではない。コソボの電力不足の問題について、セルビアとコソボ両国間での合意が必要だ。この問題はまず政治的に解決し、その上で技術的に解決する必要がある」。カミュ氏はAP通信の取材に応じ、そう語った。

 セルビアとコソボの間の摩擦の背景には、約20年前から続く両国間のより広範な問題がある。1999年にコソボ紛争が終結して以降、依然セルビア人勢力が支配するコソボ北部地域の住民らは、自分たちが使用している電気の料金をコソボ政府に支払っていない。

 2015年には両国間でこの問題を解決するための合意が成立したが、まだ合意内容の実現には至っていない。

 セルビアの送電事業者であるEMSは、今回の問題の責任はコソボにあると主張。「コソボは1月から2月にかけて、欧州送電系統から契約外の電力を無断で引き出している」と述べている。

 一方、コソボの送電事業者KOSTTの幹部カドリ・カドリュ氏は、コソボ北部のセルビア系住民居住地域では電力が使用されているにもかかわらず電気代が支払われておらず、それがKOSTTにとって大きな金銭的負担になっている、と説明する。

 ENTSO-Eは声明で、「政治的な解決策がみつからなければ、周波数偏差の問題は解消できないかもしれない」とも述べている。

 ただしこれまでのところ、この問題の影響が及んでいるのは時計だけのようだ。

 「欧州大陸の電力系統は配電や送電事業者によって全地域の基本的なニーズを確実に満たせるようになっている。正直なところ、時計が遅れること以外に特にリスクはない」とカミュ氏は語る。

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