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» 2018年03月22日 07時10分 公開

日本独自の宇宙回収カプセル開発進む ISSの実験試料を迅速に研究者へ 有人船に応用も (1/3)

ISSの実験試料を地上に持ち帰る日本独自の小型カプセルの開発が進んでいる。運用開始から今月で10年を迎えた日本実験棟「きぼう」の成果を効率よく上げるのが狙いで、来年度に初の回収実験に挑む。

[産経新聞]
産経新聞

 国際宇宙ステーション(ISS)の実験試料を地上に持ち帰る日本独自の小型カプセルの開発が進んでいる。運用開始から今月で10年を迎えた日本実験棟「きぼう」の成果を効率よく上げるのが狙いで、来年度に初の回収実験に挑む。(草下健夫)

来年度に打ち上げ

画像 物資補給機「こうのとり」から分離後、大気圏に突入する回収カプセルの想像図(JAXA提供)
画像 落下試験に使用する、回収カプセルの模型=2016年9月、北海道大樹町(JAXA提供)
画像 落下試験後、船上に引き揚げられるカプセルの模型=2016年9月、北海道大樹町沖(JAXA提供)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発する試料回収用の小型カプセルは、円錐(えんすい)に近い形状で直径84センチ、高さ66センチ。来年度に打ち上げる物資補給機「こうのとり」7号機に搭載してISSに運ぶ。飛行士がきぼうの実験で得た生命科学や材料などの試料を収納し、こうのとりの機体表面に取り付ける。

 こうのとりがISSを離脱した後、高度約300キロで地上からの信号によりカプセルを分離する。大気圏突入時にさらされる高熱に耐えて降下し、落下傘を開いて太平洋の小笠原諸島沖に着水。船で回収し、内部の試料を研究者に届ける。

 こうのとりは物資補給で重要な役割を果たしているが、輸送は片道切符だ。物資を運んだ後は大気圏で燃え尽きて廃棄され、荷物を持ち帰ることはできない。

 日本がきぼうの試料を回収するには米国やロシアの宇宙船に頼るしかなく、回収の機会や量の制約が大きい。カプセル開発に取り組むJAXAの田辺宏太チーム長は「鮮度が良い状態で迅速に研究者に届ける必要がある試料でも、海外から運ぶため輸送に時間がかかっている」と話す。

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